技術者育成の難しさ

キャリアの土台・考え方

技術系企業の人材育成について相談を受けると、
次のような悩みをよく耳にします。

  • 技術者がマネジメントを躊躇う
  • 若手のキャリア支援が難しい
  • 1on1がうまく機能しない

人事施策として

  • キャリア研修
  • 1on1制度
  • エンゲージメント施策

を導入しても、
期待したほど効果が出ないことも少なくありません。

人事施策だけでは解決しない

これまでのシリーズで見てきたように、
技術者には独特の思考様式があります。

技術者は

  • 人よりも問題にフォーカスする
  • 再現性を重視する
  • 客観的な根拠を求める

そのため

  • キャリア
  • マネジメント
  • 1on1

といった人事施策が
そのまま機能しないことがあります。

これは能力の問題ではありません。

文化の違いなのです。

技術者文化を理解する

私は技術者出身として、
研究開発部門の人材育成にも関わってきました。

現在はキャリアコンサルタントとして、
技術者のキャリア支援を行っています。

その経験から感じているのは、

技術者と人事のあいだには
文化の違いがあるということです。

私はこの違いを
「技術者文化の通訳」として
整理することを心がけています。

知情意アプローチ

こうした技術者の思考の特徴を、
私は 「知・情・意」 の観点から整理しています。

  • 知 : 専門知識・分析力・洞察
  • 情 : 対話・共感・関係構築
  • 意 : 使命感・主体性・価値創造
役割を整理する三つの観点
(知・情・意)

多くの技術者は

  • 知(専門性)
  • 意(技術への使命感)

を強く持っています。

しかし

  • 情(人との関係)

を扱う訓練を受ける機会は
多くありません。

だからこそ

  • キャリア面談
  • 1on1
  • マネジメント

の支援が必要になります。

本シリーズのまとめ

このシリーズでは

  • 技術者はなぜキャリアを語らないのか
  • 技術者はなぜマネジメントを躊躇うのか
  • 技術系マネージャーはなぜ1on1が苦手なのか
  • 技術者の思考の特徴

というテーマで考えてきました。

技術者文化を理解することは、
技術者を変えることではありません。

技術者の強みを活かすための
対話の設計を変えることなのです。

例えば技術系部署では、
最初から「キャリア」をテーマにするよりも

「今の仕事のどこに面白さを感じているか」

といった問いから始める方が
対話が自然に動き始めることがあります。

私はこれを
「技術者文化の通訳」という役割だと考えています。

技術者の思考と、組織の論理のあいだに
橋を架ける仕事です。


技術者育成や1on1の支援については
以下のページでもご紹介しています。


技術者文化シリーズ

  1. 技術者はなぜキャリアを語らないのか
  2. 技術者はなぜマネジメントを躊躇うのか
  3. 技術系マネージャーはなぜ1on1が苦手なのか
  4. 技術者の思考の特徴
  5. 技術者育成の難しさ (本投稿)
  6. 技術教育と人材育成は同じではない
  7. 技術者が育つとは何か ― 技術者育成の議論がすれ違う理由
  8. 技術者育成がうまくいかない理由 ― 技術部門主導で考える人材育成の本質
  9. 技術者育成を機能させる方法 ー 経営理念を技術部門に落し込む

コメント

タイトルとURLをコピーしました