NHK朝ドラ「虎に翼」大人気ですね。私は初回から欠かさず見ています。本日7/3の放送 第14週「女房百日 馬二十日?」 (68) で、主人公の佐田寅子(伊藤沙莉さん)が、星航一(岡田将生さん)に吐露するセリフに、思わずぐっときてしまいました。
寅子:民法だけじゃない。「新しくて理想的なことを行うためには、相当の工夫や努力と日時を要するもの...」 学生時代から心底分かっているはずなのに、上手くいかないと腹が立つ。ごめんなさい、愚痴です。忘れて。
航一:悩む意味あります? 言ってたでしょ? その時の自分にしか出来ない役目があるかもしれないって。だから上手くいかなくて腹が立っても、”意味”はあります。必ず...
私は前職において自部門の「人財育成ガイドライン」なるものを作りました。同時期、人事部から全社員に対し、キャリア面談の実施が必須とされましたが、そのやり方として提示されたのは数分の動画教材のみ。技術系社員は理屈っぽく、その上司にとってキャリア面談は恐怖でしかありません。上司も技術職ですが、「自分のキャリアも描けないのに、部下のキャリアなんて面倒見れるか!」と、私に噛みついてくる人もいました。
そこで自部署に特化した形で、人財育成の考え方や面談の仕方、キャリアデザインの考え方をガイドラインとしてまとめ、説明会を開催し、理解活動に奔走しました。それから3年後、私は早期退職をしました。やればやるほど理想と現実のギャップに苦しんだのです。
今思うと、あの内容は「新しくて理想的なもの」であったと自負しています。教育コンサル会社の人にも見ていただきましたが、技術系に合わせた内容は、とてもユニークだとお褒めの言葉をいただきました。無論、人事部にも逆提案しました。
それを職場で実践し、浸透させるためには、更なる工夫や努力、時間が必要でした。「しくみ作りまでが企画の仕事」と当時の上司は口癖のように言っていましたが、「実践できないと意味がない!」と撥ねつけていました。コンサル会社が作った”しくみ”の多くが、形骸化しているのを散々見ていたので、毎日腹を立てていました。
今日の朝ドラを見て、あの頃のシーンがありありと甦りました。その後、ガイドラインがどうなったかは知る由もありません。果たして意味はあったのか? それは私の今後の行動によるのかもしれません。□