稲田 豊

キャリアコンサルタントの部屋

解決策が無い話を聴く ~役に立たないことを恐れなくていい~

キャリア面談の仕方について理解活動をしていたときのこと、あるリーダーが不安な顔をしています。お話しを聴いてみると、「キャリアの重要性については理解したが、部下の話を聴いてしまったら、解決策を提示してやらないといけないよね? 自分のキャリアも描けない中で、部下のキャリアなんて約束してやることは出来ない。」と言うのです。
キャリアコンサルタントの部屋

ケースに学び、ケースに捕らわれない ~パターン化を防ぐには謙虚さが欠かせない~

キャリアコンサルタント更新講習(リモート)において、受講生同士のロープレを実施したときのことです。キャリコン役を実施した後の講師の方とのやり取りです。私が「このパターンでは」という言葉を口にした途端、ピキッと音がしたのです。モニター越しの講師の顔色がみるみる曇っていく... どうやら地雷を踏んでしまったようです。
キャリアコンサルタントの部屋

キャリコン面接試験の口頭試問 ~主訴構造化のポイント~

論述試験で問われていることと、面接試験で問われていることは、ほぼ同じです。問い3は主訴を問うており、問い4は今後の進め方を問うています。よって、①来談目的、②相談者が大事にしている価値観、③それが揺らがされた経験などについて質問をすれば、経験代謝を意識したカウンセリングをしようとしていたのか否か、分かってしまいます。
キャリアコンサルタントの部屋

自動運転プログラムを止める ~マインドフルネス瞑想はジャッジをしない訓練法~

自動運転といっても、今流行りの自動車の自動運転ではありません。思考の自動運転です。 キャリアカウンセリングのインテーク面談、これは相談者の来談目的を聴き、主訴を構造化するための面談。国キャリの面接試験はこれを模擬したものです。この際、重要なことは来談目的を聴いてもジャッジ(判断)をしないことですが、簡単ではありません。
キャリアコンサルタントの部屋

カウンセリングスキルを日常業務で使う ~人間関係が変わります~

私のキャリコン仲間に、大手企業で管理職をされている方が居ます。その方とお話しした際、こんなことをサラッと言われました。 キャリアカウンセリングを学んで良かったことを一つ上げるなら、会社業務での人とのやり取りが大きく変わったことですね。会議の席で、上司に反対意見を述べられても、「〇〇さんは、そう思われるのですね..」と。
キャリアコンサルタントの部屋

25回受験生へのエール ~共に勉強してきた皆さまへ~

国キャリ25回試験日が迫ってまいりました。養成講座終了後、共に勉強してきた皆さま、いよいよですね。今回は皆さまにエールを送ります。
今ここをよく生きよう

小池陽人さんの法話会 ~ネガティブ・ケイパビリティのすすめ~

YouTubeでおなじみの小池陽人さんの法話会に参加してきました。ケイパビリティとは一般的に、仕事や目的の達成に必要な“能力”を表します。問題を解決するための能力です。しかしネガティブ・ケイパビリティとは、解決できないことを、そのまま受容する能力であり、仏教の”一切皆苦”に他ならないと小池さんは言います。
今ここをよく生きよう

なぜ不正は繰り返されるのか? ~プリンシプルベースで考えよう~

自動車業界で、またも不正が発覚しました。いくつもの工場が稼働停止に追い込まれる異常事態です。しかし就職関連サイトを見ると、同グループ会社は「コンプライアンス意識がとても高い」という口コミが沢山出てきます。なぜコンプライアンス教育が盛んな会社で不正が起きるのでしょうか? アドラーの目的論とプリンシプルベースから考えます。
キャリアコンサルタントの部屋

経験代謝は抽象的で難しい? ~修養までに時間が掛かる~

JCDAが提唱するカウンセリングスタイルとして、経験代謝があります。国家資格キャリアコンサルタントの実技をJCDAで受ける際、問われているのは「経験代謝を理解しているか?」であり、本ブログでも度々述べてきました。しかし「経験代謝の考え方は抽象的で難しい」といった声もよく耳にします。ここでは、その理由について考えます。
キャリアコンサルタントの部屋

キャリアコンサルタント倫理綱領が改正されました ~改正のポイント~

私たちキャリアコンサルタントの基本的姿勢・態度や行動規範となる、倫理綱領が大幅改定されました(R6/1/1付)。この手の改正については、その主旨が解説されていて然るべきかと思うのですが、残念ながらネットには載っていませんね... そこで、私なりに変更点を解釈してみました。改正点の理解にお役立ていただければ幸いです。
徒然なるままに

謹賀新年

明けましておめでとうございます。本年が皆さまにとって良き一年になりますよう祈念しております。
キャリアコンサルタントの部屋

Will-Can-Mustとキャリアアンカー ~Willを明確にすることをヨシとしない人も居る~

キャリアチェンジを考える際、よく使われるフレームワークにWill-Can-Mustがあります。やりたくて(Will)、出来て(Can)、求められる(Must)仕事ならば、適職であると考えます。しかし、Willなんて書けないという方が少なからずおられるのです。そこでキャリアアンカーの視点から、Willについて考えました。
キャリアコンサルタントの部屋

資格を取ったらどう活かすか?(2) ~STARで表現しよう~

キャリコン実技試験(面接)の際、必ず訊かれる質問「資格をとったらどう活かしますか?」にどう答えるべきかついては、以前にも示しました。今回は就職や転職面接の際に良く使われる、STARというフレームワークを使ってみましょう。これを使うと、どんな課題感を持って、何をしようとしているのか、簡潔かつ明確に伝わります。
キャリアコンサルタントの部屋

成功・失敗で考えるのをやめる ~キャリアチェンジをどう捉えるか?~

私は今年、前職を早期定年退職しました。「自分のキャリアは自分で切り拓く!」と意気込んで辞めたのです。あれから半年あまり経ちますが、知人に会うと「仕事どう?」という言葉の後に、「その退職、成功だった? 失敗だった?」という、無言の問いが聞こえてきます。キャリアチェンジにおける成功・失敗とは何か?考えてみました。
今ここをよく生きよう

意識高い系について考える ~防災活動は価値ある仕事~

「防災人材交流シンポジウムつなぎ舎」に参加しました。東日本大震災の語り部として活動を続ける方々の、貴重なお話しを聴かせていただきました。その後のパネルディスカッションの中で「(我々のような若手が伝承活動を続けていると)”意識高い系”として揶揄されることがある」とありました。 「意識高い系」について調べてみると…