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  3. 永平寺に行って参りました ~素晴らしき座禅体験と紅葉~
本コラムでは、永平寺での座禅体験、紅葉について写真と共に紹介します。
所要:5分

曹洞宗大本山の永平寺に行って参りました。普段からマインドフルネス瞑想に親しんでいるため、”本当の坐禅”に興味がありました。かといって同寺院のことはロクに調べず、1日3回、坐禅体験なるものがあることだけを知って、訪れたのでありました。

門前町の食堂にて永平寺そばを食した後、13時半からの坐禅会に滑り込みました。20人ほどの皆さんと共に2階の広間に移動し、そこで全50分の体験をしました。

まずは、調身~調息~調心の概念。身体を調え、息を調え、そして心を調えるという、坐禅の基本的考え方です。そして脚の組み方、手の組み方。『組んだ手の形はココロの状態を示している』とのこと。まあるく、まあるく組むように指導されました。

姿勢を正した後、身体を僅かに左右に振りながら、その降り幅を小さくしていきます。最も座りが良い骨盤の位置、背骨の位置を探っていく感じでしょうか? 最後は首を僅かに振りながら、頭のてっぺんが天井から引っ張られたようなイメージで身体を調えます。

そして腹式呼吸。余り肩を持ち上げないよう、上体で呼吸をしないように指導されました。私は最近、上腹部を膨らませて吸い、吐きながら下腹部に息を下ろすようなイメージで呼吸をしています。下腹だけを風船のように膨らませたり縮めたりすると丹田が緩んでしまうので、上半身の動きを抑えつつ呼吸を調えていきました。

この段階で部屋の照明が暗めになります。あくまで目は閉じないようにしながら、呼吸に意識を向けます。指導者のお坊様がゆっくり回ってきて姿勢を正してくれます。警策(けいさく、バシッと打つ木の棒)ではなく、手を沿えて姿勢を正していただきました。私の場合、まだ肩甲骨の引きが甘く、胸の開きが不十分なようでした。また顎が上がり気味なため、顎を軽く引くように指導されました。警策を背骨に当てて下さっているのか、そのひんやりした感触が伝わってきます。

するとどうでしょう? 背筋が今まで嵌まったことの無い位置に収まり、ビタリと背骨が立ったのです。それは、ほんの数mmズレても気付くくらいの微妙な位置。決してリラックスした感じではなく、やじろべえがバランスをとっているような不思議な感覚でした。

約20分の静寂の後、徐々に身体を弛めていくように促されます。これも新鮮な感覚でした。少しずつ少しずつ身体の緊張を取り除いていく感覚が、とても不思議なのです。あくまでも坐禅中は身体が緊張状態にあったことに気付かされます。そして最後は脚を崩しマッサージを行います。今回は張り切って結跏趺坐(けっかふざ、両方の足首を太ももの上に上げる座り方)としたので、流石に痺れておりました。直ぐに立とうとしたら転倒していたでしょうね。

今回の坐禅体験で感じたことは、如何に普段の瞑想の姿勢がいい加減だったかということです。マインドフルネス瞑想を始めて丸三年になりますが、まだまだ姿勢が決まっていないことに改めて気付かされました。ちょっと無理してでも、正しい姿勢を繰り返すことで、矯正されていくものなのでしょう。初心者のココロを忘れず、毎日坐り続けていきたいと思いました。

坐禅体験の後は境内を巡りました。入り口のところに、『永平寺のお参りは”屋内”となります』と書かれていて、何のことやらと思いましたが、回ってみて納得。ほとんどの伽藍が渡り廊下で繋がれていて半分屋内なのです。レジ袋に入れた下足を持ち、ずっとスリッパで見学をするのです。

考えてみれば冬の間、寺院は雪に埋もれてしまいますから、渡り廊下がないと伽藍の間を移動出来ないのですね。だから屋内。伽藍の片隅にはTV-CMでお馴染みの空気清浄器エアドックが鎮座しておりました。(笑) 紅葉のピークは過ぎていましたが、真っ赤に色付くモミジと伽藍の姿は、どこを切り取っても絵になる素晴らしい光景でした。

撮影:2022年11月18日

予想を遥かに超える素晴らしい体験をして、永平寺を後にしたのでした。□

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