前職でWell-being推進活動1をしていた際、何人かの方から「Well-beingを求める心は誰にでもある」、「幸せを求めない人なんていない」という言葉を聞きました。そのようにおっしゃる方が、次に発する言葉には二通りあったように思います。
- 「道は間違っていないのだから、誰が何と言おうと、信じた道を突き進めば良い」
- 「でも、それを求めることは容易ではない…」
今思うと、私は前者の言葉に励まされて活動を推進し、後者を軽視していたように思います。「幸せを求めること」を錦の御旗のように掲げ、「正しいことをしている」と酔っていたのかもしれません。ある時、年配の方から「仕事はツラいもの。仕事の中で幸せなど求めない。」と言われました。私は経営理念に謳われている幸せを示し、猛烈に反発をしていました。
今思えば、その方の場合、Well-beingであろうとするための障害を取り除くこと自体が辛く、不安を感じてしまうのかもしれない。だから、あれこれ理由をつけて変化を拒絶する。現状維持の方が幸せなのです。
私は前者が良くて後者が悪いと言いたい訳ではありません。後者もごく自然なことなのです。今思えば、私には「現状維持派」を受容する器量が無かったのです。現状はあんまり幸せとは言えないけれど、改革して傷付くことの方が不安… そういう考えがあっても、何ら不思議はない… 今はそう思えます。人間って複雑ですね。
また、そう考える理由については、”個人”に働きかけないと決して分からないとも思います。いくら”組織”に対して錦の御旗を掲げても、その理由は分かりません。どこに不安感を覚えるのかは、個々にカウンセリングを行わないと分からないのです。組織に対して吠えていた自身の姿を思い出す度、赤面する今日この頃です。□
- 職場において、一人ひとりが幸せになるための行動について、実践のヒントを提供する活動のこと(筆者の定義) ↩︎
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