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  3. 自縄自縛 ~自分で自分を縛らない~
このコラムでは、退職して分かった、”自縄自縛”(自分で自分を縛ること)について語ります。 所要:3分

27年間勤めた会社を辞めることにしました。今後はフリーのコンサルタントとして、仕事を探していきます。何年も思い悩んだ末の決断ですので、スッキリとした気持ちです。しかしながら、いざ退職するとなると、少なからず心がざわつくものですね。

まずは退職手続き。私の場合、早期退職制度を利用しました。ドラマや漫画で見るように、「辞めさせていただきます」と辞表をばーんと叩きつける訳ではなく、円満退社が前提です。上司と相談の上、粛々と制度適用申請書類を起票して人事部に提出。制度適用可となると改めて退職届を起票することになりました。それが受理されると、退職金の支払い方法や健康保険他など多数の書類が待ち受けています。

これらの書類を起票をする中で感じたのは、「日本のサラリーマンは保護されているなあ」ということ。国の諸制度は、会社に所属してもらい、税金や社会保険料他を粛々と納めてもらえば、優遇しますよ…となっているんですね。よく「人件費は給与の1.5~2倍」と言われますが、それを実感しました(例えばココ)。見えないところで、たくさんのお金がかかっているのです。

フリーランスになるにあたって最大の不安は収入の激減であり、「人の幸せは地位財(収入や社会的地位等)ではない」などと声高に叫びつつ、生活を破綻させる訳にはいきません。お金の問題は、どうしても心をざわつかせます。今後、キャリアコンサルティングを行っていく上では貴重な体験となりそうです。

さて心をざわつかせる、もう一つは業務の引継ぎですね。これまでやってきたこと、今後継続していただくことを後任に説明するのですが、「あれも出来なかった、これも出来なかった…」とネガティブな思いが先に立つのです。「上司や関連部署を説得できなかった」とか、「会社の方針に合わなかった」など、出来なかった理由が頭をよぎるのです。後任に説明しているうち、忘れかけていた嫌な経験が思い出されました。どうしても他責(他人のせい)が多くなるのも困りもので、余計に自身を傷つけます。

しかし有給休暇消化期間に入った今、改めて考えてみると、普段から如何に仕事に頭を縛られていたのかを実感しています。年がら年中、解決策を考えていた訳でもなく、ただただ『なぜ出来ないのだ?』という思いに縛られていたように思います。これは”自縄自縛”ですね。自らが感じた出来ない理由を言葉にすることによって、自らの行動を制限していたように思うのです。

フリーランスになると、思いを実現するための基本的枠組みが変わり、良くも悪くも自分次第になるのだと、じわじわと感じ始めています。人生という限られた時間を何のために使うのか? やれない、やらない理由を問い続けることでないことは確かです。

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