カール・ロジャースの受容・共感・(自己)一致。あまりにも有名な「相談者に変化を起こすためのカウンセラーの条件」です。私はキャリコン受験生の頃、受容~共感もままならず、ロープレに苦戦しておりました。自己一致なんて、めっそうもない… そんなとき、みん合(みんなで合格☆キャリアコンサルタント試験)にて以下の文献を知りました。
池見 陽「傾聴とフォーカシングの臨床心理学」、聴覚言語学研究 13、213-220(1996)
ここに書かれている「自己一致」のエピソードを読んで、ハッとしました。ああ…そういうこと? 無論、自分が出来るか否かは別として、ストンと腹落ちするものを感じたのです。
あれから4年あまりが経過しました。私は研修にて、キャリアカウンセリングを教えています。もちろん3条件についても触れるのですが、言葉だけでは伝わらない… そこでチャレンジしているのは、ChatGPTによるイラスト化です。共感的理解については、先に紹介した「ドライブ・映画館・お化け屋敷」を使って説明します。



思った以上に伝わる絵になったので、池見先生の「自己一致」のエピソードについても、絵にしてみました。先の文章を読んで、私の脳裏に浮かんだイメージに近いものです。先生はもっとダンディな方とお見受けしますが、お許し下さいませ。

ぜひ、皆さんも先生の文章を読んで、その光景を具体的にイメージしてみて下さい。
「言語化することで追体験し、気付きを促す」のがカウンセリングだと思いますが、今回改めて「頭に浮かんだイメージを絵にすると、強烈に脳に定着すること」を認識しました。
さて、以下の文献にはロジャースが来日したときのエピソードが記されています。
ロジャースが1961年に来日した折に、ある初学者が、「受容」と「共感」と「一致」、この三つのなかでどれが一番重要なのですか、とロジャースにたずねた。質問者の予想に反して、ロジャースは「三つのなかで最も重要なもの。それはまちがいなく、一致だ」と即答したという。
出典:諸富祥彦 「カウンセリングの理論 上巻 ー三大アプローチと自己成長論ー」、誠信書房 (2022) p.114
このエピソードも、私にとって合点がいく話でした。なぜなら、受容・共感だけをいくら繰り返しても、相談者に気付きが起こらないことがあります。カウンセラーが不一致を感じ、それを言語化したとき、悩みが一気に解け始める… 私も幾度となく、そんな経験をしてきたからです(コラム : 内省のキッカケとなる関わりとは)。
イメージって大事ですよね。絵を描くことが得意ではない私でも、生成AIを使えば作画できるのです。もっともっと活用して、多くの皆さんに「聴く」を届けたいと思います。□
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