考えるより感じよう ~見える化至上主義に注意~

今ここをよく生きよう
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Well-beingやポジティブ心理学に関する取り組みをしていると、「体系的に学ぶにはどうしたらいいのか教えてほしい」といった声をいただくことがあります。以前の私ならば、「この本を読んで下さい」、「この講座を受けると、考え方が理解できますよ」と紹介していました。しかし最近はちょっと違うなあ…と思うことが多く、回答に困ってしまいます。

私は典型的な左脳人間で、なんでも文章で論理的に理解しようとします。Well-beingの考え方にしても、ご指導をいただいている先生の講演を受け、関連書籍を読んで、だいたい理解をしたつもりでおりました。幸せの構成要素であるPERMAH理論を知り、職場においては研究者の皆さんが没頭(Engagement)できる空間作りをしたり、研究の意味(Meaning)を深く理解してもらえることが重要だと、”頭で理解”をしていました。

最近、各所で盛んに取り組まれている「幸せの定量化」についても、「測れないものは改善できない!」という”見える化至上主義”に、何の疑問も感じませんでした。

さらに以下のような書籍で実践方法を紹介し、「これらは全て心理学というしサイエンスに基づいた手法なので、ぜひやってみて下さい」とお薦めしてきました。

ソニアリュボミアスキー、幸せがずっと続く12の行動習慣、日本実業出版社
Michel McQuid & Peggy Kern, YOUR WELLBEING BLUEPRINT FEELING GOOD AND DOING WELL AT WORK

しかしながら、この具体的な実践方法を知れば知るほど、「あれ? これって昔から我々が大事にしてきた習慣そのものでは?」と気付いたのです。これらの多くは哲学や宗教が扱ってきたものであり、近年のWell-beingの考え方や、ポジティブ心理学の取り組みは、これらを科学的に検証をしているのではないか? と思うのです。

私のような理系脳の皆さん、心理学や脳科学的なエビデンスを求め、左脳で理解し考えるのもいいですが、哲学、宗教で扱ってきた教えを実践し、右脳で感じてみてはいかがでしょうか?

日本では今、宗教というとアブナイと毛嫌いされますが、それはとてもモッタイナイことだと思います。科学技術を手にすることで失ってしまった感性を取り戻すことは、とても重要だと思うのです。□

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