NHKクローズアップ現代「知らない間に火葬された”あふれる遺体”相次ぐトラブルの実態」(2024/6/10)を拝見しました。一人暮らしのお年寄りが亡くなった後、親族が知らない間に火葬されてしまったトラブルについてのルポです。このようなトラブルを減らす手段の一つとして、横須賀市の「終活サポート事業」が紹介されていました。
登録者の方のインタビューがとても印象的でした。
生きているほうを考えたらいいのかなって。死んだときのことを考える必要なくて。今楽しく生きていればいいなって、そう思えるようになって。
近い将来確実に起こる死。死への不安はどうしたって取り除けないにしても、「死後に起こる出来事」への不安は予め取り除くことが出来る。それによって、今ここを楽しく生きていくことができる… 終活ってそういうことなんだと、改めて実感しました。
キャリアコンサルタントとして、同世代の方のセカンドライフについての相談を聴くことがあります。「定年」も「死」と同様、必ず来るイベントです。それを受容れ、事前に準備をすることは、今ここを楽しく生きることに他なりません。
50歳、55歳といった節目の齢を迎えると、セカンドライフに向けたキャリア研修を受講する方が多いことでしょう。それを機に具体的な準備を始める人もいれば、集合研修から戻るやいなや、それを忘れる方もおられるでしょう。現職場で大量のお仕事があるのなら、その忙しさにかまけて現実逃避してしまうお気持ちも分かります。但し確実に定年の時はやってくるのです。
積極的に迎え撃つか、職場の意向という得体の知れない流れに身を任せるのか、それは貴方次第。「六十にして耳順う」(論語)と言うのだそう。還暦ともなれば「他人の意見に反発を感じず、素直に耳を傾けられる」のです。肩の力を抜いて、他人の意見、自分の心の声に耳を澄ましましょう。それは「聴活」と言えるかもしれません。不安を取り除いて、今ここを楽しく生きましょう。□
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