技術系企業の人事担当者と話していると、
よくこんな言葉を聞きます。
「技術者の方は優秀なのですが、
何を考えているのか分からないんです。」
- キャリアの話になると黙ってしまう。
- マネジメントすることを躊躇う。
- 1on1を導入しても会話が弾まない。
これまでのシリーズでは、
- 技術者はなぜキャリアを語らないのか
- 技術者はなぜマネジメントを嫌がるのか
- 技術系マネージャーはなぜ1on1が苦手なのか
というテーマで考えてきました。
これらの背景には、
技術者特有の思考様式があります。
今回はその特徴を整理してみたいと思います。
人ではなく、問題にフォーカスする
技術者と話していると、
ある共通点に気づきます。
例えば問題が起きたとき、
技術者はまず
- 何が起きたのか
- 原因は何か
- 再発防止策は何か
を考えます。
これは非常に優れた能力です。
しかしその思考習慣は、
人との対話の場面でも現れます。
つまり
人よりも問題を見る
のです。
技術者思考の3つの特徴
① 問題解決思考
技術者は
現象
↓
原因
↓
対策
という思考で動きます。
そのため会話でも
感情よりも、問題の構造を優先する傾向があります。
② 再現性思考
技術者は
「なぜそうなるのか」
を重視します。
経験談より
再現可能な説明
を求めます。
そうならないようにすれば、
問題は生じないからです。
③ 客観性思考
技術者の議論では
- 事実
- データ
- ロジック
が重視されます。
主観や感情は
議論の材料になりにくいのです。
主観よりも
客観的な根拠を重視する傾向があります。
知情意の観点から、役割を整理する
こうした技術者の思考の特徴を、
私は 「知・情・意」 の観点から整理しています。
- 知 : 専門知識・分析力・洞察
- 情 : 対話・共感・関係構築
- 意 : 使命感・主体性・価値創造

(知・情・意)
多くの技術者は
- 知(専門性)
- 意(技術への使命感)
を強く持っています。
しかし
- 情(人との関係)
を扱う訓練を受ける機会は
多くありません。
そのため
- キャリア面談
- 1on1
- マネジメント
に戸惑うことがあるのです。
原因は思考様式の違い
これまでのシリーズで
- 技術者はキャリアを語らない
- マネジメントを躊躇う
- 1on1に苦労する
という話をしてきました。
これらは能力の問題ではありません。
思考様式の違いなのです。
技術者は
問題を見る思考
を強く持っています。
その思考を理解したうえで
対話の方法を設計することが重要です。
次回予告
次回は
技術者育成の難しさと、その解決の方向性
について考えてみたいと思います。
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技術者文化シリーズ


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