ちょっと息苦しい世の中ですよね。それを変えたくて風土改革の仕事をしているのですが、簡単ではありません。そんな中、以下の本におもしろい記述を見つけました。
息を「吸う」ことと、本を「読む」ことはとても似ている。つまり、本をひたすら読み続けることって、息を吸い続ける苦行と同じようなものなのです。
印南敦史、遅読家のための読書術、PHP文庫、p.79
皆さん、過呼吸ってご存じですか? 私は過度のストレスで過呼吸になったことが何度かあります(結構、繊細なんです(笑))。就寝中、過度に息を吸う状態に陥り、がばっと起きてしまうのです。息を吸い続けているのですが、ひたすら苦しく、「うわぁ、死ぬわ…」とパニック状態に陥るのです。対処法は紙袋を口に当てて、自分の吐いた息をもう一度吸いながら、呼吸を整えていくことです。
本を読むのが苦手な方は、吐いていないからです。吐くとはどういうことか? 本から吸った知識(インプット)をアウトプットすることです。精神科医の樺沢紫苑先生は、ベストセラー「アウトプット大全」(学びを結果に変えるアウトプット大全 、サンクチュアリ出版))の中で、インプットとアウトプットの適切な比率は、3:7だと言っておられます。「吸う:吐く=3:7」がいいということです。
呼吸瞑想でも、「3吸ったら7吐け」などと言います。人それぞれ適当な比率はあるかと思いますが、短く吸ったら長く吐くのです。
もうお分かりですよね。現代社会が息苦しいのは、吸うに比べて吐くことが少ないからだと思います。コンプライアンスばりばりで、心理的安全性が低い職場では、吐くのが難しいですよね。何とか突破口を探ろうとインプットすればするほど、吐けなくなって過呼吸に陥るのです。特に現代社会は、読もうと意識しなくても大量の情報がインプットされていく時代です。
吐かなかったら苦しくなります。黙っていたら苦しくなるのは当たり前。とにかくちゃんと吐き出す場面を自身で作ることが肝要です。「在宅勤務で、今日、誰とも喋らなかった」なんて、とても危険です。リモート会議、チャット等でつないで、誰かと喋りましょう。□
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