答えは自身の中にある ~正解が外にあると思うから悩む~

キャリアコンサルタントの部屋
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キャリアカウンセリングやコーチングを学んだことがある方には、釈迦に説法ですよね。しかし、初めてカウンセリングやコーチングを受けようとする人は大概「正解を教えてもらおう」と思って来訪します。「専門家に訊けば、悩みを解決する方法を教えてもらえる」と思って来るのです。

しかし、悩みというのは自己概念の揺らぎであって、その解決策は相談者が自ら導き出すしかないのです。カウンセラーやコーチが出来るのは、相談者に気付きを促すことだけです。解決策は相談者の中にあり、それを探し出すためにライトを照らしたり、相談者の鏡になるのです。

本当のカウンセリングやコーチングを受けたことがある人は、「悩みや迷いの本質や、解決方法が自らの内側にあること」を経験的に知っています。他人に話を聴いてもらうことで、それが見つかることを知っているのです。だからこそ、少々恥ずかしくても自らの悩みを積極的に開示し、自らを探求していくのです。

さて「正解を教えてもらおう」と思っている人はどうでしょうか? 答えは外にあると思っているので、いろいろな人の話を聞きます。もちろんそれは大事なことなのですが、そればかりやっていると、「青い鳥探し」になります。「幸せになれる術」を外に求めてしまうのです。少々きつい言い方をすれば、その方の悩みはいつまでも「他人事」であり、決して「自分事」にはなりません。

私は昔、異業種交流会の合宿で、ある企業の研究管理部長と「自部署の仲間に、どのような研修を受けてもらうのが良いのか?」をテーマに語り合いました。私はコーチングの講座を受けたばかりだったので、「絶対、コーチングです。役員、部長、上に立つ人、みーんなに受けてもらいたいです! 傾聴力をつけて欲しいです!」と声高に叫びました。そのとき部長さんがおっしゃった言葉が今も耳に残っています。

「良質なコーチングを受けたことのある人でないと、コーチングの意味は分からない。」

そうなのです。「答えは自身の中にある」ということが分かっている人は、相談者自らが答えを見つけられるよう、時にサーチライトとなり、鏡となることができます。しかし、それが分からない人は「外にある答えのようなもの」を相談者に勧める店員にしかなれないのです。「なんちゃってコーチング」しか学んでいない人は、後者にしかなれないのです。

欧米のエクゼクティブは自らを客観視するため、大金を払ってコーチを雇います。世界的な平均値として時給2.5万円くらいだそうです。それだけの対価を払い、話を聴いてもらいます。日本におけるキャリアカウンセリングは5000円/時間~で受けられますから、お得ですよね。無料で受けられる機会も多くありますし、「費用は会社持ち」としてくれる会社も多いようですから…

まあ費用はともかく、「答えは自身の中にある」と気付くことが、なにより重要であることは確かです。仏教では「不生の仏心」が説かれていますが、それと同じだと、私は思うのです。□

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