このコラムでは、「恐怖の拡散」を止めるためのマインドフルネスの活用法を提案します。 所要:3分
職場における恐怖は貴方から主体性と創造性を奪います。担当者としての当事者意識は薄れ、イノベーティブな発想など出来なくなります。Googleが行った調査 ”プロジェクトアリストテレス”においても、「生産性が高いチームは心理的安全性が高い」ということが分かっており、恐怖は職場の敵と言えましょう。
しかしながら、現代の職場は恐怖となり得る不安で溢れています。
- 世界情勢はどうなっていくのだろう?
- 日本はどうなるんだろう?
- この業界はどうなるんだろう?
- 当社はこの業界で生き残っていけるのか?
- うちの部は大丈夫だろうか?
- 〇年後、自分の仕事はあるのだろうか?
不安の種には事欠かず、それは度が過ぎると恐怖心に変わります。更に部下を何人も持つようになれば、不安は何倍にも膨れ上がるでしょう。部門としての成果を上げねばと力めば力むほど、部下に厳しく接し、パワハラまがいのことをしてしまうこともあるのでしょう。上司は不安からくる恐怖を拡散することになり、部下は主体性を失い、創造的な仕事が出来なくなるのです。
以下の本では恐れを引き起こす一要素としての「無礼さ」を取り上げており、「無礼な人がもたらす5つの費用」として以下を上げています。
- 無礼な人は同僚の健康を害する
- 無礼な人は会社に損害をもたらす
- 無礼な人はまわりの思考能力を下げる
- 無礼な人はまわりの認知能力を下げる
- 無礼な人はまわりを攻撃的にする
ここで「無礼な人はまわりを攻撃的にする」は、「恐怖の拡散」と同義だと私は考えています。主体性と創造性に溢れた職場を作るためには、「恐怖の拡散」を止めなければならないのです。
さて恐怖の拡散を止めるために、我々が出来ることは何でしょう? その一つがマインドフルネス瞑想だと私は考えています。恐怖を感じた時、自分の身体はどう反応しているのか? 思考はどう反応しているのか? これをメタ認知する。ただただ今、ここで何が起きているのか?を感じる。これがマインドフルネス瞑想です。
私は19年秋にMiLIのSIYでマインドフルネス瞑想に出会い、以後3年半、見様見真似で続けてきました。今も朝のルーティンとして30minの瞑想を続けています。初めのうちは半信半疑でやっていましたが、徐々に効果が出始め、瞬間的に怒ることが大分減りました。
何を隠そう、私は簡単にカチンと来る人でした。上司から恐怖を拡散されると、猛烈に反発していました。それはそれでいいのですが、今思うと、同じようなことを部下にしていたのです。「〇〇さんが、こう言っているよね? 彼はこういうことを恐れているんだよ。分からんかなあ? あなたもさあ、忖度しろよ」と… 私は部下に対して恐怖を伝播していたのです。私が感じた「上司からの恐怖」は、たとえどんな丁寧な言葉を選んだとしても、部下に伝わってしまうのです。
さて、どんな場面でマインドフルネスをすればいいのか? 私は以下のようなスタイルをお薦めします。
- 毎日決まった時間に瞑想を実施すると、平常時からストレス耐性が高まります。
- 恐怖を巻き散らかされたときには、バレないように静かに3呼吸すると、自身が受けるダメージを低減できます。
- もしリモート会議ならマイクオフして、大きく深呼吸しましょう。それでも胸のバクバクが止まらないなら、写経をしましょう。念仏を書いてもいいです。バレませんから(笑) 会議後、瞑想をして心を調えれば完璧です。
これらを続けると、ストレス耐性は確実に上がります。恐怖を拡散しないために、皆さんも是非お試しあれ。□