YouTubeでおなじみの小池陽人さんの法話会に参加してきました(2/11、中日文化センター)。「聴く方も大変でしょうが、どうぞ修行と思ってお付き合い下さい」と始まった法話会、私はすっかり話に引き込まれてしまい、あっと言う間の1時間半。終わった頃には、とても温かい気持ちになりました。
そりゃあまあ、人気出ますわねぇ… 笑顔の素敵なイケメンだし、さわやか! お名前の通り陽気な人でした。出口でお見送りしていただいたのですが、写真撮影を求める妙齢のおばさま方に取り囲まれていました。
たくさんの金言が散りばめられた、素晴らしい法話でしたが、その内容を一言で言えば、
ネガティブ・ケイパビリティとは仏教の”一切皆苦”であり、カウンセリングマインドそのものだ
ということになります。ケイパビリティとは一般的に、仕事や目的の達成に必要な“能力”を表します。問題を解決するための能力です。しかしネガティブ・ケイパビリティとは、解決できないことを、そのまま受容する能力であり、仏教の”一切皆苦”に他ならないと小池さんは言います。「宙ぶらりんに耐える力」なのです。
私はキャリアカウンセリングを学ぶにあたり、問題解決思考という拘りを捨てることに大変苦労しました(ココ)。学校で学ぶことは問題となる原因を探し、それを解決するポジティブ・ケイパビリティであり、世の中の大半のお仕事は、アドラーが言うところの原因論の対象なのです。しかし人間関係は原因論では解決できません。それどころか目的論でも、どうにもならない問題は山ほどあり、そういった問題がカウンセリングの場に持ち込まれるのです。
今日のテレフォン人生相談において、僧侶で看護師の玉置妙憂さんはこんな風に言っておられました。
大事なことは、黒か白か、はっきりさせることではありません。一番強い人は、グレーであることを、ありのままに受け容れられる人です。
あっ… これこそ、ネガティブ・ケイパビリティですね。一切皆苦です。フリーランスになって半年余り。未だ「宙ぶらりん」の感は否めませんが、心穏やかに耐えたいと思います。□