内省のキッカケとなる関わりとは? ~不一致の開示~

キャリアコンサルタントの部屋
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ロープレ勉強会において、キャリアコンサルタント役の方が上げる課題の一つに、以下のようなものがあります。

表面的な事柄しか聴けない。感情の言葉を引き出せたとしても、その先まで入っていくことが出来ない。相談者に内省を促したいが、どうしたらいいか分からない。

確かにその方のロープレを聴いていると、相談者が体験した出来事はよく分かる。適切に”伝え返し”をされているので、いつどこで、誰とどんな体験をしたのか、そのシーンはありありと目に浮かんでくるのです。また、その場で相談者がどんな感情をいだいたのかも良く分かる。受容・共感まではバッチリなのです。しかし内省が起きない…

たくさんのロープレを聴かせていただきましたが、キャリアコンサルタントが感じた不一致を上手く開示できたとき、相談者の内省が始まることが多いと感じています。ロジャースの3条件、受容・共感・一致の3つ目、”一致”です。「あれ? この人、さっき言っていたことと、矛盾すること言っているかも…」といった違和感を、上手く相談者に示せたとき、相談者の内省が始まるように思うのです。

そこで私は受験生の皆さんに、以下のようにお伝えしてきました。

「ああ、この相談者はこんな経験をしたんだ...」と受容・共感するだけでなく、キャリアコンサルタントである貴方が感じた、”小さな違和感”を大事にして下さい。相談者の経験にどっぷりつかりながらも溺れずに、どこかクールな視線で相談者の経験を見て下さい。

論述試験の過去問を上記の目線で見ると、「内省を促す関わり」の背景に、キャリアコンサルタントのクールな視線を感じることが出来るでしょう。

そして違和感を感じたなら、その開示方法が重要。「私には~と見えるんですが?」というI(アイ)メッセージで相談者に伝えましょう。ラポールが形成されていれば、相談者はハッとなり、内省が始まるでしょう。この瞬間がカウンセリングの醍醐味だと、私は考えています。□

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