モノづくり企業で働くミドルシニア技術者の違和感
モノづくり企業で、長く技術者として働いてきた方ほど、
ある時期から、言葉にしづらい違和感を抱きやすくなります。
仕事は回っている
大きな失敗もしていない
評価も、極端に低いわけではない
それでも──
「このままでいいのだろうか」という感覚が、消えない。
これは、個人の問題というより、
モノづくり企業特有の構造から生まれやすいものです。
モノづくり企業に特有のキャリア構造
モノづくり企業では、長い間、
- 現場経験の積み重ね
- 年次とともに重くなる責任
- 技術 × 組織の暗黙知
によって、キャリアが形作られてきました。
そのため、ミドルシニアになる頃には、
- 役割が増えすぎて、何が本業か分からない
- 現場からは少し離れ、判断業務が増える
- 若手と同じやり方では評価されにくくなる
といった変化が、一気に押し寄せます。
「頑張ってきた人ほど」感じやすいズレ
特に真面目に、誠実に働いてきた技術者ほど、
- 現場も分かる
- 調整もできる
- トラブル対応も任される
という状態になりやすい。
結果として、
✔ 何でも屋のようになっている
✔ 代替はきくが、評価されにくい
✔ 自分の強みが、言語化できない
というズレが生まれます。
これは、能力の問題ではありません。
役割が曖昧になりやすい構造の中にいるだけです。
モノづくり企業で起きやすい典型的な悩み
ミドルシニアの技術者から、よく聞く声があります。
- 若手に任せたいが、任せきれない
- 管理職と言われても、現場感覚を失いたくない
- 評価されているのか、便利に使われているのか分からない
- 技術者として、これ以上どう成長すればいいのか見えない
これらはすべて、
「役割の転換期」に差しかかったサインです。
この違和感を放置すると起きやすいこと
違和感を言語化できないまま放置すると、
- モチベーションが下がる
- 周囲との距離が広がる
- 若手や上司との関係がぎくしゃくする
といった形で、後から影響が出てきます。
多くの場合、
問題はスキルではなく、認識のズレにあります。
次に必要なのは「一人で考え続けること」ではない
この段階で必要なのは、
もっと頑張ること
我慢すること
答えを急いで出すこと
ではありません。
今の立場・役割・価値を、
一度、言葉にして整理することです。
そのために有効なのが、
第三者との対話や、1on1の活用です。
関連記事(あわせて読みたい)
- 中高年技術者のよくある悩み10選 ― キャリアに行き詰まりを感じたときの整理視点
― 多くの技術者が立ち止まりやすい地点を整理する - キャリアアンカー別よくある悩み ―なぜ同じ状況でも苦しさが違うのか【技術者向け】
― 同じ状況でも苦しさが違う理由を知る - 技術系専門職のキャリア不安を減らす ― 専門スキルを見える化する視点
― 技術者としての価値を言語化する視点
モノづくり企業のミドルシニア技術者の相談では、
- 何に違和感を感じているのか分からない
- 不満と言うほどではないが、納得もできない
- 誰に相談していいのか分からない
という状態から始まることが少なくありません。
当相談室では、
答えを出す前に、
今の立場・役割・価値を一緒に整理する対話を大切にしています。
もし今、
「この違和感、放っておいていいのだろうか」
と感じているなら──
言葉にするところから始めてみてください。
□


コメント