―― 苦手意識を減らし、キャリアに活かす考え方
なぜ技術者は、1on1が苦手なのか
「1on1、正直あまり意味を感じない」
「何を話せばいいのか分からない」
「結局、評価の話になるだけ」
技術者の方と話していると、
1on1について、こうした声をよく聞きます。
それも無理はありません。
技術者はこれまで、
- 成果はアウトプットで示す
- 考えは、形になってから語る
- 感情や迷いは、仕事と切り離す
という文化の中で働いてきました。
そのため、
- まとまっていない考えを話す
- 答えの出ていない悩みを口にする
という1on1の前提そのものに、
強い違和感を覚えやすいのです。
1on1は「うまく話す場」ではない
ここで、視点を一つ変えてみてください。
1on1は、
- 気の利いた発言をする場
- 正解を言う場
- 評価を上げる場
ではありません。
本来の1on1は、
- 自分の考えを言葉にしてみる
- 頭の中の整理をする
- 違和感の正体を探る
ための時間です。
つまり、
「うまく話す場」ではなく、「考える練習の場」
なのです。
技術者にとっての1on1は「思考の壁打ち」
技術者の仕事に置き換えると、
1on1はよく似ています。
- 設計レビュー前のラフな検討
- 仕様が固まる前の壁打ち
- 問題を切り分けるための仮説出し
いきなり完成形を出すことは、ありませんよね。
1on1も同じです。
- 話しながら考えが整理される
- 言葉にして初めて、引っかかりに気づく
それで十分なのです。
「うまく話せない」1on1ほど、価値がある
むしろ、
- 話がまとまらない
- 途中で言葉に詰まる
- 自分でも何が言いたいか分からなくなる
こうした1on1ほど、
本当のテーマに近づいているサインです。
キャリアの悩みは、
最初から整理されていることの方が稀です。
だからこそ、
「今日は、うまく話せなかった」
ではなく、
「少し、考えが見えた」
それくらいの感覚で、十分なのです。
まずは「小さなテーマ」で練習すればいい
いきなり、
- 将来のキャリア
- 異動や転職
- 役職の話
を持ち出す必要はありません。
たとえば、
- 最近、仕事で引っかかっていること
- なんとなく気になっている違和感
- モヤっとしているけれど、言語化できないこと
そんな小さなテーマで構いません。
1on1は、
話す内容より、「話してみる経験」そのものが大切です。
まとめ
1on1が苦手だと感じるのは、
技術者として、これまで真剣に仕事と向き合ってきた証拠です。
ただ、
一人で考え続ける
頭の中だけで整理しようとする
ことには、限界があります。
1on1は、
答えを出す場ではなく、
考えを外に出すための練習の場。
そう捉え直すだけで、
1on1の意味は、大きく変わります。
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1on1で、
何を話せばいいか分からない
話そうとすると、言葉に詰まる
という状態は、とても自然です。
当相談室では、
「整理されていない状態」から話し始めることを前提に、
思考を言葉にするプロセスを大切にしています。
1on1の延長線上にある、
もう一段深い対話の場として、
必要なときに活用していただければ十分です。
もし今、
「一人で考える限界」を感じているなら、
一度、言葉にする練習をしてみてください。
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