メンタルダウンに至る前には、人間関係・仕事関係の悩みがあり、それを我慢したり、やり過ごすプロセスがあります。但し、それが続くと徐々に身体に影響が出てきます。肌が荒れてきたり、便通が乱れてきたり… 酷くなると髪が抜けたり、寝られなくなったり、食欲がなくなったりします。自覚できているならともかく、無自覚だと対応が遅れ、症状が悪化していきます。「仕事が忙しくて休めない」という理由で対応が遅れるのです。
そのような状況になってから、メンタルクリニックに行く方が多いようです。心療内科では身体の不調を和らげる薬を処方してくれますが、お一人当たりの診察時間は限られています。「カウンセリング」までしてくれるクリニックは稀。次の予約が取れず、メンタルクリニックは慢性的にパンクしているようです。
そうです。「人間関係・仕事関係」のお悩みが深くならないうちに「カウンセラーに相談する」というカードを使って欲しいのです。他人に相談することは、何も恥ずかしいことではありません。我慢して我慢した挙句、体調を崩してしまうと、周囲の人に迷惑を掛けてしまいます。「迷惑をかけないこと=美徳」ではありませんが、「早めに迷惑をかけてしまった方がいい」のです。
社内に相談窓口があれば、そこに行くのがいいのです。社内に問題があれば、関連部署も動いてくれるでしょう。私も在職中、お世話になりました(そのエピソードはココに書きました)。社内の人に知られるのはちょっと…という方は、ぜひ私のような社外カウンセラーを利用して下さい。秘密厳守ですし、リモート面談ならば他人に知られることもありません。ぜひお気軽にお声かけ下さい。
なお、メンタルダウンしてしまう人が増えている背景には以下のようなことがあります。
- マネージャーが部下の顔色を見る場面が減少した(外部要因)
- 同僚や部下が、声掛けする場面が減った(外部要因)
- 自身の体調変化に対する感度が衰えた(内部要因)
- 「他人に迷惑を掛けることは悪いこと」という社会通念が過度に広まった(外部要因)
マネージャーや同僚、部下があなたの顔色を見る機会は、明らかに減っていると思います。人出不足・効率重視の世の中、皆さんパソコンやスマホの画面ばかり見ていて、他人の顔色なんて見ていないですから… あなた自身もそうです。他人の顔色の変化に対する感度は衰えています。それどころか、ご自身の体調変化に対する感度も衰えています。
それなのに、他人に迷惑をかけることに対しては、ものすごく敏感になっています。カスハラなど傍若無人な態度を取る人が居る一方で、他人との関わりに対して繊細過ぎる方も増えているのです。「人は誰かに取り上げられて、この世に生を受け、死んだら誰かに燃やしてもらう」のにです。
上記のような要因があるので、病む人が増えても仕方がないのです。だからこそ、早く他人に相談しましょう。キャリアカウンセラーが対応できるレベルのうちに、相談してしまえば良いのです。それは決して恥ずかしいことではありません。□
~ “カウンセリングのすすめ” シリーズ ~
- その(1) どんな効果が期待できるのか?
- その(2) 私の得意不得意
- その(4) 自分で自分を大切にし、センサの感度を上げる
- その(5) 社内でキャリコンによる面談が受けられない場合
- その(6) 聴いてもらう嬉しさを知ろう