有資格者

キャリアコンサルタントの部屋

解決策が無い話を聴く ~役に立たないことを恐れなくていい~

キャリア面談の仕方について理解活動をしていたときのこと、あるリーダーが不安な顔をしています。お話しを聴いてみると、「キャリアの重要性については理解したが、部下の話を聴いてしまったら、解決策を提示してやらないといけないよね? 自分のキャリアも描けない中で、部下のキャリアなんて約束してやることは出来ない。」と言うのです。
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ケースに学び、ケースに捕らわれない ~パターン化を防ぐには謙虚さが欠かせない~

キャリアコンサルタント更新講習(リモート)において、受講生同士のロープレを実施したときのことです。キャリコン役を実施した後の講師の方とのやり取りです。私が「このパターンでは」という言葉を口にした途端、ピキッと音がしたのです。モニター越しの講師の顔色がみるみる曇っていく... どうやら地雷を踏んでしまったようです。
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自動運転プログラムを止める ~マインドフルネス瞑想はジャッジをしない訓練法~

自動運転といっても、今流行りの自動車の自動運転ではありません。思考の自動運転です。 キャリアカウンセリングのインテーク面談、これは相談者の来談目的を聴き、主訴を構造化するための面談。国キャリの面接試験はこれを模擬したものです。この際、重要なことは来談目的を聴いてもジャッジ(判断)をしないことですが、簡単ではありません。
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カウンセリングスキルを日常業務で使う ~人間関係が変わります~

私のキャリコン仲間に、大手企業で管理職をされている方が居ます。その方とお話しした際、こんなことをサラッと言われました。 キャリアカウンセリングを学んで良かったことを一つ上げるなら、会社業務での人とのやり取りが大きく変わったことですね。会議の席で、上司に反対意見を述べられても、「〇〇さんは、そう思われるのですね..」と。
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経験代謝は抽象的で難しい? ~修養までに時間が掛かる~

JCDAが提唱するカウンセリングスタイルとして、経験代謝があります。国家資格キャリアコンサルタントの実技をJCDAで受ける際、問われているのは「経験代謝を理解しているか?」であり、本ブログでも度々述べてきました。しかし「経験代謝の考え方は抽象的で難しい」といった声もよく耳にします。ここでは、その理由について考えます。
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キャリアコンサルタント倫理綱領が改正されました ~改正のポイント~

私たちキャリアコンサルタントの基本的姿勢・態度や行動規範となる、倫理綱領が大幅改定されました(R6/1/1付)。この手の改正については、その主旨が解説されていて然るべきかと思うのですが、残念ながらネットには載っていませんね... そこで、私なりに変更点を解釈してみました。改正点の理解にお役立ていただければ幸いです。
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Will-Can-Mustとキャリアアンカー ~Willを明確にすることをヨシとしない人も居る~

キャリアチェンジを考える際、よく使われるフレームワークにWill-Can-Mustがあります。やりたくて(Will)、出来て(Can)、求められる(Must)仕事ならば、適職であると考えます。しかし、Willなんて書けないという方が少なからずおられるのです。そこでキャリアアンカーの視点から、Willについて考えました。
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成功・失敗で考えるのをやめる ~キャリアチェンジをどう捉えるか?~

私は今年、前職を早期定年退職しました。「自分のキャリアは自分で切り拓く!」と意気込んで辞めたのです。あれから半年あまり経ちますが、知人に会うと「仕事どう?」という言葉の後に、「その退職、成功だった? 失敗だった?」という、無言の問いが聞こえてきます。キャリアチェンジにおける成功・失敗とは何か?考えてみました。
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カウンセリングを身近なものにする ~私の「金の糸」*~

JCDAは『人生すごろく「金の糸」』というツールを用いて、自分自身を振り返ることを薦めています。サビカスのナラティブカウンセリングの考え方に基づき、すごろくをしながら、幼少期から現在までの経験を棚卸し。個々の経験をつなぐ「金の糸」を紡ぎ出す研修も実施しています。今回この研修の事前課題を実施し、大きな気付きがありました。
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資格取得は仮免許 ~路上に出なけりゃペーパードライバー~

キャリアコンサルタントの資格取得は仮免許のようなもの。資格を取得しても路上に出なければ、あっという間に面接技能は低下します。面接試験の15分ロープレはインテーク面談の一部に過ぎず、これだけでは業務に当たれません。教官が同乗していればいいのですが、面接は基本1on1ですから、一人で走らねばならないのです。
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コーヒーの海に浸かる覚悟 ~それ耐えうるメンタルと相談者自らに抜け出してもらう関わり~

カウンセリングのプロセスにおいて、本当の問題をつかむには、相談者の内面世界に浸かる必要があります。 カウンセラーは相談者の経験を再現しながら、共にその世界を見るのです。相談者は自己概念を揺らがした経験を再び見ることになりますので、動揺して泣いてしまうこともあるのです。そんなとき、カウンセラーはどう対応すべきでしょうか?
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好意的関心とは何か? ~相手の成長を願う基本的態度~

キャリアカウンセリングを学ぶと「好意的関心を持ちなさい」とよく言われます。相談者に対して好意的な関心を持つことは、相談者との信頼関係を構築するために必要不可欠だからです。しかし私がこの大切さに気付いたのは、資格を取得した後かもしれません。原因論を捨て、自己成長論に基づくカウンセリングを志向するのは容易ではありません。
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カウンセリング前のルーティン ~目の前の相談者に集中しよう~

キャリコン面接試験に臨む受験生の皆さん、「上手くやれるかな?」、「口頭試問に答えられるかな?」と不安で一杯ですね。そんな時は大きく深呼吸をして、「さあ、これから15分は、相談者のための時間!」と唱えてみて下さい。意識の矢印は相談者に向き、カウンセリングに集中できるでしょう。そうすれば自己概念の揺らぎが捉えられますよ。
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「~しかない」への違和感 ~私は何処に行った?~

最近、よく耳にする言葉に「~しかない」(または「~でしかない」)があります。「感謝しかない」「不安しかない」「楽しみしかない」、スポーツ選手のインタビューの場面等で良く耳にします。Veryの意味で使われているようですが、私には違和感があるんですよね.. なぜ違和感を感じるのか? について、いくつかの視点から語ります。
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ロープレ会のビフォー・アフター ~カウンセリングによって起こること~

受験生支援のためのロープレ会。開始直後の皆さんは緊張の面持ちですが、終了後は何とも言えない満ち足りた表情をしているのです。達成感や気付き、信頼。いろいろな感情が混ざり合って、”今ここに在る”のです。高揚感ゆえ、後日反動が出る方もおられますが、それは成長過程そのもの。残ってしまったモヤモヤが後日解決することもあるのです。