全ての悩みは主観的 ~心の問題に客観的な解決などない~

キャリアコンサルタントの部屋
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日本にはカウンセリングの文化が無いと言われます。西欧では当たり前のように他者に相談するのに、日本には他人に相談するなんて恥ずかしいという意識があるのかもしれません。

特に理系のおじさんはその傾向が顕著なのではないでしょうか? 技術的問題点については、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングによって客観的・分析的に物事を見れば、解決策に辿り着ける… そういう成功体験があるからでしょう。

かく言う私も研究者であった頃は、そのように考えていました。自身の担当していた技術テーマを他者に相談してみようと勧められても、「その人は問題解決策を提示してくれるのか? 俺は専門家だぞ? ありとあらゆることを考えたぞ。そいつに何が分かるんだ!」というくらい息まいておりました。

一方、人間関係の悩みに客観的な正解などなく、全ての悩みは主観的なものと言えるでしょう。誰もが自身の色眼鏡を掛けて物事を見ており、その人がその人であるが故、悩みが生ずるのです。例えば、自分がものすごく悩んでいることも、他者から『何でそんなことで悩んでいるの?』と言われてハッと気が付く…そんなことは良くあります。

しかし人は皆、自身の成功体験に基づいて行動します。人間関係の問題、会社組織の問題についても、問題解決手法を適用しようとします。”原因論”に基づいて悪いところを探し、正常化することで問題を解決しようとするのです。しかし人間関係や会社組織に正解はなく、問題解決思考で対応しても上手くいかないのです。

私は問題解決思考がダメだと言っているのではありません。何でもかんでも問題解決手法で解決出来ると思い込むことが、危険だと言いたいのです。技術的な問題と人間関係の悩みは別物であり、違う考え方で対応すべきなのです。カウンセリングを受けることは、この切替えの必要性を体感する絶好の機会となるでしょう。□

■問題解決思考シリーズ

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