―― 技術者と上司のすれ違い構造
なぜキャリア面談は、こんなにも疲れるのか
キャリア面談が近づくと、
何を話せばいいのか分からない
本音を言っていいのか迷う
終わったあと、かえってモヤモヤする
そんな感覚を覚える技術者は少なくありません。
それは、あなたの準備不足でも、
意欲の問題でもありません。
上司と部下で、見ている前提が違う
ただ、それだけなのです。
上司側の「言い分」
多くの上司は、キャリア面談を
- 会社としての方針を伝える場
- 配置や育成を考えるための情報収集
- 本人の希望を確認する機会
として捉えています。
上司の頭の中には、
- 組織全体のバランス
- 次に任せたい役割
- 人事評価との整合性
といった制約条件が並んでいます。
そのため、
「将来どうしたい?」
という問いも、
“会社の中でどう動いてもらうか”
という前提で投げかけられていることが多いのです。
部下(技術者)側の「言い分」
一方、技術者側はどうでしょうか。
このまま技術を続けられるのか
管理職になるべきなのか
今の仕事に、どこか違和感がある
そんな整理できていない感情を抱えたまま、
面談の場に座っていることがほとんどです。
しかし、
うまく言語化できない
評価に影響しそうで怖い
中途半端なことは言えない
という思いから、
本音は飲み込まれていきます。
結果として、
「特にありません」
「会社にお任せします」
という、どこか空虚なやり取りで終わってしまう。
噛み合わないのは、誰のせいでもない
この面談が噛み合わない理由は明確です。
上司は
👉 組織視点で未来を見ている
部下は
👉 個人としての納得感を探している
そもそも、
見ている軸が違うのです。
だから、
上司は「前向きな話をしたつもり」
部下は「何も話せなかった感覚」
という、ズレが生まれます。
キャリア面談は「答えを出す場」ではない
ここで大切なのは、
キャリア面談は
完成した答えを持ち込む場ではない
という視点です。
むしろ、
何に引っかかっているのか
どこが言葉になっていないのか
今は決めきれない、という事実
を共有する場として捉えた方が、
ずっと現実的です。
そのためには、
「自分は、何にモヤっとしているのか」
を、事前に少しだけ整理しておく必要があります。
だからこそ、1on1や第三者との対話が役に立つ
上司との面談の前に、
1on1で練習する
第三者に話してみる
ことで、
- 言葉にしにくい違和感
- 自分でも気づいていなかった前提
が、少しずつ見えてきます。
キャリア面談を、
一発勝負の場にしないこと
それが、技術者にとっての現実的な戦い方です。
まとめ
キャリア面談がつらいのは、
あなたの意欲が足りないからでも
準備不足だからでもありません。
上司と部下で、
見ている世界が違う
ただ、それだけです。
もし今、
「面談で何を話せばいいのか分からない」
と感じているなら──
それは、
考えが足りないのではなく、
整理する視点がまだ無いだけ
なのかもしれません。
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キャリア面談に向けた相談では、
「何を話せばいいか分からない」
「考えがまとまっていない」
という状態から始まることがほとんどです。
当相談室では、
上司に伝えるための答えを作るのではなく、
- 今、どこに引っかかっているのか
- 何が言葉になっていないのか
を一緒に整理する対話を大切にしています。
もし次の面談を、
少しでも「納得感のある時間」にしたいと感じているなら、
事前に言葉を整えるところから始めてみてください。
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