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  3. カウンセリングのすすめ(6) ~聴いてもらう嬉しさを知ろう~

人的資本経営が叫ばれ、人を大切にしなければという機運が盛り上がっています。マネージャーの皆さんには、部下とのコミュニケーションを密にするよう、お達しが出ている事でしょう。残業規制もある中、成果も上げなければならず、部下との1on1の時間を確保するために、マネージャーの皆さんは必死だと思います。

私は前職においてメーカーの研究所に勤務していました。マネージャーの皆さんも研究者です。コツコツ研究をするオタク気質の方が多く、コミュニケーションに苦手意識を持っている方も多かったのです。そのような方に、部下とのキャリア面談をお願いすると、「自分のキャリアも不安なのに、部下のキャリアなんて考えられるか!」と噛みつかれたものです。好意的な人でも「どうやって面談したらいいか分からない。教えてくれ!」と言われたものです。そのような方には、1on1やコーチングの社外研修をお薦めしましたが、受講後も面談が苦痛のようです。何故でしょうか?

結論から言えば、マネージャーであるその人が、「ちゃんと話を聴いてもらって嬉しかったという経験」をしたことが無いからです。もしくは、数が少なく、昔のことで忘れてしまったか…ですね。

昨今のマネージャーさんは孤独だと、私は思います。なぜなら…

  • 「部下とのコミュニケーションを密にしろ!」という、その上司(役員・部長)と貴方の間のコミュニケーションこそ希薄だから。
  • 同じ職位のマネージャーはライバル。皆さん、自部署のことで頭が一杯で、他部署の人に相談する余裕など無いから。
  • マネージャーになった途端、部下はよそよそしくなり、「結論を出すための会話」が中心となった。無駄話は出来ず、ハラスメントの問題もあるから、部下にうかつな事は聞けない。雑談が大事と言われても、雑談なんて出来ないから。

上、横、下… 八方塞がりですよね。誰もマネージャーなんかやりたくありません。私の前職場では、「マネージャーを降りて一人の研究者に戻った時、技術についていけないと困るから、実務は手放せない」という方もいました。そういう方に、「自部署のメンバーを上手くマネジメントできたら、もっと大きな成果を上げられるかもしれませんよ!」などと焚きつけても無駄でした。

そういう孤独なマネージャーの皆さんこそ、社外のキャリアコンサルタントに相談を持ち掛け、「ちゃんと話を聴いてもらう経験」をして欲しいと強く思います。

私は社外1on1を手掛けるYeLLで、サポーターと言われる聴き手を担当しており、マネージャーの方も担当します。皆さん初めは「社外の人に、こんなこと喋っていいのだろうか?」と思っておられるようですが、回数を重ねるうち「聴いてもらう嬉しさ」を体感されます。「ああ、話してスッキリしました!」と弾んだ声でセッションを終えるときは、こちらも嬉しくなります。

「聴いてもらう嬉しさ」を体感した人は、職場に戻ってから、同じことが部下に対して出来るのです。1on1やコーチングの座学だけでは実践に移すことが出来なかったのに、少しづつ自分が変わっていくことに気付いていきます。「ああ、ひょっとして他人の話を聴けるようになってきたかも…」と思ったのなら、しめたものです。そんな自分をちょっと好きになり、傾聴スキルは上がっていきます。「ちゃんと聴くことによって人間関係は変わるんだな…」と実感するでしょう。

ぜひ、社外のキャリアコンサルタントを活用し、コミュニケーションに対する苦手意識を克服するキッカケにしていただければと思います。どうぞ気軽にお問合せ下さい。□


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