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  3. カウンセリングのすすめ(5) ~社内でキャリコンによる面談が受けられない場合~

”カウンセリング”というと、メンタル不調の方が受けるイメージが強いと思います。しかし身体の不具合が生じる前に受けた方が、症状も軽く済み、職場への復帰期間は短くて済むのです。「職場の人間関係、仕事のお悩み」であるうちに、キャリアカウンセリングを受けることをおすすめしました(ココ)。

無論、社内に「キャリア相談窓口」や「セルフキャリアドック」が整備されていれば、それを最大限活用していただくことが一番です。ここでセルフキャリアドック1とは以下のようなものです。

セルフ・キャリアドックとは、企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、体系的・定期的に従業員の支援を実施し、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取組、また、そのための企業内の「仕組み」のことです。
出典:厚生労働省「セルフキャリアドックとは」

本制度が提唱されたのが2015年。翌2016~2018年まで助成金が出たようです。助成金終了後も国は導入を支援していますが(ココ)、導入済みの会社は、数~5%程度のようです(ココ、令和4年1月調査)。しかし「キャリア相談のしくみがある企業」でも、キャリアコンサルタントが面談にあたっている会社は10.9%しかありません(同資料)。

よって、「キャリアコンサルタントによる面談が受けられない企業」の従業員の皆さまは、ぜひ”外部のキャリアコンサルタント”を活用していただきたいと思います。

ここまで読むと…
「ん? 上司とは1年に1度、キャリア面談をしているよ? あれじゃダメなの?」
と思われるかもしれません。

ダメではありません。最も身近な上司とキャリアについて定期的に相談することは、とても重要なことです。私も前職において、その仕組みを作り、実施を促進しましたので、その重要性は理解しています。しかし「セルフキャリアドック」が何故求められているかと言えば、キャリアに関する専門性を持った担当者でないと、”主体的なキャリア形成を促進・支援する”面談にならないからです。

また、セルフキャリアドックや、上司とのキャリア面談には、以下のような問題もあります。

  • 開催頻度が低く(1年に1~2回、場合によって節目の齢(5~10年)に一度)、職場環境の変化についていけない
  • 会社の人材育成ビジョンと、個々のキャリアに対するビジョンをすり合わせる場となるため、「職場の人間関係、仕事のお悩み」は話題にしずらい
  • 業務時間内で、十分な相談時間を確保することが出来ない
  • 相談相手が上司の場合、利害関係があるため、本音が話しずらい
  • 悩みが生じてから、それを伝えるまでに長い時間を要し、もやもやが長く続く。

そのため、「職場の人間関係、仕事の悩み」については別の相談窓口を設けている会社があるのです。但し、その窓口は「メンタル相談」寄りで、「キャリア相談」できる窓口を個別に設けている会社は稀だと思います。

このような観点からも、ぜひ社外のキャリアコンサルタントに、タイムリーに相談して欲しいと思います。無論、秘密厳守ですし、会社情報の漏洩になるようなお話しをしていただく必要もありません。どうぞお気軽にお問合せ下さい。□

  1. 我々キャリアコンサルタントは受験生の頃、この仕組みを知り、目をキラキラさせるんです。「これこそ我が社に必要なものだ!」と。よって多くの受験生が面接試験において、「資格を取ったらキャリアドックを導入したい!」と答えるのです。ところが… 導入企業数が容易に伸びない理由は… ”経営者の理解”を得ることが容易でないからです。 ↩︎

~ ”カウンセリングのすすめ” シリーズ ~

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