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  3. 自分の感情に気付くということ ~カウンセラーにもクライエントにも有効な訓練方法~

カウンセラーが受容・共感・一致をしても、有効なカウンセリングにならない場合があり、その場合のクライエントには、ある特徴が見られることについて解説しました(ココ)。私なりに意訳すると…

  • 溢れる感情はあるが、それを表現しようとしたとき、制御出来ない人
  • 感情は二の次で、何でも知性で解決できると考えている人
  • 相手(カウンセラー)がどう受け取っているかについて関心がない人

となるのではないでしょうか? その反対は…

  • 感情表現が多彩で、上手く制御して相手に伝えられる人
  • ”知”に偏らず、”情”の大切さも分かっている人 そして”意”を決するために、相談に来たことを自覚している人
  • 自分はなぜ相談に来たのか? カウンセラーに何を求めているか? 自己や他者の感情を俯瞰的に捉えられている人

となるでしょう。一項および三項は「自己や他者の感情を知覚し、また自分の感情をコントロールする」ことであり、心の知能指数(Wikipedia)が高い人と言えましょう。二項は、知情意のバランスに優れた人となります。

これらの特性はカウンセラーにも重要であり、もしこれに欠けていれば、以下のようになってしまうでしょう。

  • クライエントになりきって経験しても、その感情をクライエントに伝えられない
  • 問題解決思考(ここでは知性レベルでの解決を示します)が強過ぎれば、クライエントの知のもつれを解くことに終始し、”情”や”意”レベルでの解決が出来ない
  • クライエントの僅かな感情変化に気付くことが出来ず、自らの内面で起きた不一致にも気付くことが出来ない
  • 結果、クライエントに気付きを促すような関わりが出来ない

それでは心の知能指数を上げ、知情意のバランスを取るには何をしたらよいのでしょうか? 多く方法があると思いますが、私は以下の方法を推奨します。

  • マインドフルネス(呼吸瞑想、マインドフルウォーキング他)をすることで、自身の身体、感情、思考に向き合う
  • 自身の知情意タイプを知り、バランス修正を試みる(ココ

この訓練を繰り返すと、下図の各階層を意識的に移動できるようになると私は考えています。

私はNLP(Neuro Linguistic Programming:神経言語プログラミング)で言えば、Aタイプ(聴覚優位)です。言葉で思考する傾向が強い人間です。それ故、問題解決思考が強く、カウンセリングを学ぶ際には、大変な苦労をしました。一方で身体感覚優位(Kタイプ)の方の捉え方が理解できませんでした。

しかしマインドフルネスとの出会いが私を変えたのです。マインドフルネスは、調身~調息~調心を基本とします。身体感覚に意識を向けるのです。私のような知および聴覚に偏った人間にとっては、あえて対極に振ることが有効だったようです。当然、とても長い時間を要しました。まだまだ修行中の身ですが、感情を扱うカウンセラーとして精進し続けたいと考えています。□

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