近年、公正な研究のための取組みが盛んに行われており、以下のサイトに多数の情報が集約されています。
研究公正ポータルサイト(JST : 科学技術振興機構)
上記サイトには以下のような情報が紹介されています。
- 国内外のガイドライン(官公庁・公的機関)
- 調査・研究結果
- 教材(映像、各種パンフレット)
- 大学や研究機関、学会の取組み
但し、膨大なデータが上がっており、どこから学び始めれば良いのか迷ってしまうことでしょう。そこで企業の技術者・研究者の方にとって馴染みやすい教材を2つ紹介します。
前者には3本の動画が上がっています。「理工学研究室における実験データ捏造問題」、「人文社会学系研究室における盗用問題」、「人文社会学系および自然科学系研究室におけるグレーゾーン問題」が扱われており、情報化社会である現代に起こりがちな問題が、リアリティをもって語られます。
後者「THE LAB」は米国の研究公正局(Office of Research Integrity : ORI) が研究倫理教育のために製作した教材「THE LAB」の日本語版です。大学を舞台にした架空の研究不正事件において、視聴者は様々な登場人物となって、それを疑似体験します。
また、上記と同じくJSTが運営する、研究人材のための e-learning というサイトには技術者倫理関連のe-learingコンテンツが3本載っています。
事例に学ぶ技術者倫理
安全安心社会のための技術倫理
持続可能な社会のための環境倫理
このうち「事例に学ぶ技術者倫理」では、スペースシャトルチャレンジャー号事故や、シティコープタワー倒壊危機など、札野教授が放送大学講座「新しい時代の技術者倫理’15」でも取り上げた事例が紹介されています。これらは企業における技術問題ですので、民間企業にお勤めになる技術者、研究者の方にとって、より身近に感じられる題材ではないでしょうか? 個人で視聴し学んだ後、職場の皆さんとディスカッションすると、より教育効果が高まることでしょう。
このように研究公正に関する教材、技術倫理に関する教材は、既に多くのものが無償で公開されており、企業内教育に活用しない手はないと思います。札野先生が製作に関わられた案件も多数あり、その活用方法についても先生から指導していただくことが出来ます。ぜひ、お問合せ下さい。□
※ 本稿は早稲田大学 札野教授のご講演内容に沿い、筆者の私見も交えてお伝えするものです。
コメント