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  3. カウンセリングを身近なものにする ~私の「金の糸」*~

JCDA(日本キャリア開発協会)『人生すごろく「金の糸」』というツールを用いて、自分自身を振り返ることを薦めています。サビカスのナラティブカウンセリングの考え方に基づき、すごろくをしながら、幼少期から現在までの経験を棚卸し。個々の経験をつなぐ「金の糸」を紡ぎ出す研修も実施しています。

*「金の糸」はJCDAの登録商標です。

JCDAに入会して早2年。今回初めて、この研修を受講することにしたのです。養成講座の中でも、以下に示す「サビカスの5つの質問」については実習を行いました。

  1. あなたが成長する過程で(6歳頃)、誰に憧れましたか? できれば3人挙げてください。その人について話してください。
  2. あなたは定期的に何か雑誌を読んだり、テレビ番組を見ますか? それはどのようなものですか? その雑誌やテレビ番組のどのようなところが好きですか?
  3. あなたのお気に入りの本または映画は何ですか? その内容を話してください。
  4. あなたのお気に入りの格言またはモットーを教えてください。
  5. あなたの最も幼い頃の思い出は何ですか? 3歳から6歳頃の、または一番幼い頃の出来事で覚えていることに、私は興味があります。できれば3つの出来事を話してください。それらに見出しをつけてください。

その際、私は1および5項について語ることが、とても苦しかったのです。なぜなら、幼少期~中学生の私には「憧れた人(ヒーロー)」は居ないし、思い出したくもない出来事ばかり。「見たくない自分」がそこに居るのです。しかし『人生すごろく「金の糸」研修』は、事前課題として、幼少期~現在まで各年代における出来事を3つ以上書き出し、それらに名前をつけていかねばならないのです。私にとっては、かなり苦痛です。

さらに、それらの出来事から「変化成長につながったもの」を選び、今の職業キャリアとの関係について言語化します。また「自分にとって問題・否定的だと感じる出来事」も選び、同様な作業を行います。ポジティブな面、ネガティブな面、双方を受容れ、現キャリアにつながる「金の糸」を紡ぎ出すのです。

すると、どうでしょう。思いもよらぬ「金の糸」が見えてきました。

  • 幼少期~中学時代、ヤヤコシイ家庭環境について悩んでいたが、誰にも相談できずにいた。精神的に不安定で、キレやすかった。
  • 高校時代、バイトで稼いだ金で外に出かけるようになると、そこに居場所を求めた。外での出来事については、家では一切話さなかった。
  • 大学~大学院時代、一人暮らしをするようになると、内向性は更に強まった。研究が行き詰っても周囲に相談せず、されども愚痴は垂れ流し。DC3年で修了できず、喘息で緊急入院した時も、実家に電話連絡さえしなかった。
  • 社会人時代、人間関係がこじれたとき、その相手とは全力で闘ったが、その問題の改善、修復に関しては他人に一切相談しなかった。切れてしまった関係も多数あります。昇進もとても遅くなりました。
  • 労働組合と会社の本業が両立できなくなってしまったときも、誰にも相談せず。
  • 早期退職においては、家族に相談したものの、決断するまで職場上司には相談しませんでした。無謀だと自覚もしていたので、キャリアカウンセリングも受けなかったのです。

ああ、何ということでしょう。ずーっと、ずっと他人に相談することを避け、自分で結論を出すことをヨシとしてきた私。いい歳になってから、コーチングやカウンセリングを学び、「ああ、相談してもいいのね…」と自分を許した感じです。裏を返せば、私がキャリアカウンセラーを目指したのは、「他人に相談したって意味がない!」と突っ張ってきた、過去の自分を救おうとしているのかも知れません。

今でこそ「カウンセリングを受けて、今ここを良く生きよう!」なんて言っていますが、私は「カウンセリングを絶対受けないタイプ」だったんですよね… どうすればカウンセリングの意味を感じてもらえるのか? 自分を例に振り返り、カウンセリングが皆さまにとって身近なものになるよう努めてまいります。□

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