自動運転といっても、今流行りの自動車の自動運転ではありません。思考の自動運転です。
キャリアカウンセリングのインテーク面談、これは相談者の来談目的を聴き、主訴を構造化するための面談。国キャリの面接試験はこれを模擬したものです。この際、特に重要なことは来談目的を聴いてもジャッジ(判断)をしないということです。解決すべきは、相談者のモヤモヤであって、事柄の解決ではない… ただ、これは簡単な事ではありません。なぜなら私のようなビジネスパーソンは企業活動の中で、以下のような行動を刷り込まれているからです。
- 報告を聴いたら、手際よく状況を整理する
- 問題があれば、それが何処にあるのか、素早く分析する
- ありたい姿を実現するため、何をすべきか、対応策を思い浮かべる
- どのような対応策を実施するのか、ジャッジする
いわゆる出来る人は、これを同時並行的に行っています。そのプロセスを意識することさえないでしょう。何か情報が入ったら、判断をするための自動運転プログラムが走り始めているのです。これはビジネスパーソンに限ったことではなく、学生時代の勉強の多くも、このプログラムを磨くためのものであったと言えるでしょう。
情報が入っても判断しない…このカウンセリングの基本を身に付けるためには何をすればいいのでしょう? 誤解を恐れず言えば、ロープレの回数を重ねただけではダメで、マインドフルネス瞑想や坐禅を普段の生活に取り入れることが良いのではと、私は考えています。具体的には…
- 自分の中には、根深い問題解決思考が在るということを認める。これは学生時代~社会人時代のアナタを形作ってきた、大切なものです。捨てる必要はありません。その考え方で社会に貢献してきたのです。
- 但し、キャリアカウンセリングでは、その思考法を一旦止める必要があります。アドラー曰く、全ての悩みは人間関係。原因論に基づいた問題解決思考では、本質的な解決には至らないことを認めましょう。これにはとても勇気が要ります。捨てなくてもいいのです。今は横に置いておきましょう。
- 自動運転プログラムを走らせないようにするには、マインドフルネス瞑想や坐禅が有効です。外から入ってくる情報や、自身の内側から湧き上がってくる感情や身体感覚を、ただありのままに受容れる訓練をしましょう。1日ほんの数分、自分のためだけの時間を作ってあげましょう。
- 効果を感じられるようになるまでには、長い時間がかかります。早急に結果を求めず、自分自身の僅かな変化を愉しみましょう。「あっ、イライラしなくなったな…」、「あっ、今は自動運転プログラム、止まっているかも…」と感じられたら最高ですよ。そんなご自身を褒めてあげて下さい。
私は3年前、マインドフルネスをベースにしたコーチングを学び(ココの基礎コース)、その後、日本マンパワーでキャリアカウンセリングを学びました。今改めて、判断しないことの難しさと大切さを感じています。そして、この先、ずっとずっと感じていくのだろうと思っています。□
■問題解決思考シリーズ
- 問題解決思考を抑えるために ~知情意のバランス~
- 全ての悩みは主観的 ~心の問題に客観的な解決などない~
- クリティカルシンキングは危うい ~相談者を振り回さない~
- カウンセリングにおいて大事にしてきたものを捨てる
■カウンセリングとマインドフルネス瞑想
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