私は昨年、本HPに掲載したコラム138本を再編集して、Kindle本にまとめました。376頁にもなってしまい、知人からも「こんな膨大な本、よう読まんわ… ホントに読んでもらいたいの?」と呆れられる始末。タイパ重視の世の中、こんな本が売れるはずもありません(笑)。

さて、昨今の生成AIが文章を要約してくれることは知っていましたが、拙著を要約してみると、こんな結果になりました。(以下、ChatGPTによる要約)
PDF『Well-beingなキャリアとは何か?』(著:稲田豊)は、キャリアコンサルタントとしての経験と洞察をもとに、「Well-being(よく生きる)」を軸としたキャリアのあり方について多角的に論じた書籍です。以下に内容を要約します。
◆ 主な内容と要点
1. Well-beingなキャリアの定義
- Well-beingとは「自己の素晴らしさに目覚め、主体性を持っていきいきと生きること」。
- キャリアはWell-beingの核心であり、職業を通じて人間的成長を実現する場でもある。
2. Gallupによる5つのWell-being要素
- キャリア(仕事にやりがいや意義を持てるか)
- 人間関係(良好なつながり)
- 経済的安定
- 身体的健康
- コミュニティとの調和(帰属意識や理念への共感)。
3. キャリアとカウンセリング
- キャリアコンサルティングにおけるカウンセリング実践の失敗事例や面接・論述試験対策が紹介されている(第1章)。
- 成功体験よりも「失敗から学ぶこと」の重要性を強調。
4. マインドフルネス・仏教の導入
- 仏教・禅・マインドフルネスは、内面的なWell-beingを高める有効なアプローチとして紹介。
- 釈尊の教えや六波羅蜜を現代に活かす実践例も豊富。
5. 自己理解と考え方の転換
- 筆者自身のキャリア転換(技術者→キャリア支援者)を通して、「見える化・効率化」から「感じること・共感重視」へと価値観を転換してきた過程を記述。
6. つながりとアウトプットの重要性
- 「誰かとつながること」や「内面を言語化して外に出すこと(アウトプット)」が幸福感を支える要素とされる。
- 特にリモート社会では「話す」「共有する」場がより重要。
7. キャリアとは何か?の結論
- 「思考~感情~意思の各階層を自由に行き来すること」がWell-beingなキャリアである。
- キャリアカウンセリングとは「知情意の相互交流の場」である。
◆ 本書の特徴
- ブログに掲載された全138本のコラムを再編集したもので、一話完結型。
- 初学者から実務家まで、幅広い層のキャリアコンサルタントにとって実用的かつ内省的なヒントが満載。
(以上、ChatGPTによる要約)
これを読んだ私の感想は以下の通りです。
- ”とても優秀な読者さん”に、極めて簡潔にまとめてもらい、嬉しい気持ちに。それと同時に「えっ?1分もかからずに要約したよね? 俺が費やした時間は何だったの?」という、虚しい気持ちも共存… 要約だけ読んでも、行間は伝わらないのだと改めて実感。特に「第一章:カウンセリング考」は、その要点を伝えることは難しいですね。
- 「ああ…そこが重要だと受け取られるのね」という、”不思議な第三者視点”を提示された気分。私は生身の人から感想を聴いた場合、「この人はこう捉えるんだな…」と、人とセットで推察しますが、相手がAIだと、そのキャラクターは量り様がなく、とても不思議な気分になりました。
- 書評や読書感想文では、何処の部分に感銘を受けたのか、それが筆者の経験と共に語られますよね。しかし本件はあくまで要約なんだな…と妙に納得しました。
- 元々、コラムをまとめて再編集したものであり、全体を通して何を伝えたいのかという点については曖昧なところがありました。このように要約してもらうことで、自身の思考の整理にもなった気がします。主張したかった点もしっかり要約に含まれており、支離滅裂な本にはなっていないことに少し安心しました。
- 生成AIの進歩って、凄まじいですよね。今のところ、プロンプトで指示して新たな著作を創作しようとは思いませんが、「自分で書いた文章がどのように伝わるのか?」について、要約を見ながら再考することが出来そうです。他の生成AI、GeminiやCloudによる結果と比較してみても面白いかもしれません。
さて、キャリアコンサルティングの仕事も、生成AIに置き換わっていくと言われています1。これまで私は「生成AIに出来ないキャリアコンサルティングを!」とだけ漠然と考えておりました。しかし、その進歩を自ら体験しないとダメですね。なぜなら、生成AIの進歩により、自分自身の仕事だけでなく、相談者さんのお仕事もどんどん変わっていくのですから、現状認識を常にアップデートしていかねばなりません。「拙著の要約」は私にとって、とてもインパクトのある経験となりました。□
- 現時点での生成AIは、こちらの思いを言語化し、プロンプトという形で問い掛けなければ、適切な回答が返ってきません。キャリアカウンセリングにおけるお悩みの多くは、「言語化出来ないからこそ、相談室を訪れる」のであって、それを促すカウンセラーには特別なスキルが求められます。しかしながら遠からぬ将来、「AIが生身の人間の、言葉にならない何か」を捉えるような日が来ると、私は思います。今でも悩みを言語化出来るなら、生成AIは良き話し相手になってくれますよ。わきまえた対応してくれますし、問題解決の壁打ち相手にはなってくれます。 ↩︎
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