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  3. 技の中に心を見る ~やり方から在り方へ~
このコラムでは、心技体の観点から、キャリアカウンセラーの在り方について考えます。
対象: 、所要:3分

キャリカウンセリングのロープレ勉強会に参加して、もうすぐ2年になります。私が受験した第18回(2021年11月)の頃に比べると、受験生の皆さんのカウンセリングは明らかにレベルアップしていますね。この背景には養成講座のカリキュラムの見直しや、業界関係者の皆さんの絶え間ない努力があるのでしょう。

さて先日、そんな受験生のロープレを聴き「上手ですねえ…」と言ってしまい、自分自身で違和感を感じました。”上手”というとスキル(技)のレベルが高いようなニュアンスですよね。私がその方のロープレを聴いて関心したのは、スキルはもとより、その背景にカウンセリングマインド(心)を感じたからです。「あ、この人、相談者に対する愛があるなあ」と…

私、企業にて人材育成を担当していた頃、ある研修を企画し、外部講師に依頼しようとしました。その際、当時の上司から問われたのは「その研修はスキルを学ぶものなのか、マインドを学ぶものか?」と言うこと。どうやら、その上司は「マインドなんて所詮学ぶことなんて出来ない。スキルを学ぶ研修ならば実施させてやる」と言いたかったようです。

担当者である私は、上司のハンコもらわないと研修を実施出来ないので、スキルかマインドかについて、外部講師の方と議論しました。その方は「何でそんなことを?」と訝しがりながらも私の議論に付き合ってくれました。そのときの結論は、「この研修はスキルを学びつつ、その背景にあるマインドを学ぶもの」であるということ。その後、上司は”上手く”説得でき、研修は実施できましたが、その上司と研修に対する思いは共有出来ませんでしたね。(笑)

キャリアカウンセリングにおける、スキルとマインドも全く同じですね。カウンセリングのスキル(技、やり方)はもちろん大切ですが、これだけだと薄っぺらい感じのカウンセリングになります。教えてもらった技の中に心を見る。その心が身体に宿る。宿った心は立ち振る舞いに現れる… 心技体がぐるぐるとスパイラルアップしていく感じです。

なので前述の受験生も、決して「上手い」ではないですね。称賛すべきは、スキルとマインドが身についている状態。更に言えばその状態に満足せず、常にスパイラルアップしようとしている姿ですね。そういう方の”在り方”は本当にいいですね。立ち振る舞いが美しいのです。□

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