NHKおはよう日本にて「対話型AI×メンタルヘルス」という特集を拝見しました(6/29(水)7:17過ぎから約10分)。対話型AIの深化により、今や簡単な相談にも即座に応じでくれるようですね。その対話がとても自然であることに驚くとともに、一人のキャリアカウンセラーとして、生身のカウンセラーの専門性をどう捉えるべきか、とても考えさせられました。
私は前職でWell-being推進活動をしていました。数年前よりスマホを用いた体調&メンタルチェックや、マインドフルネス瞑想支援ソフトはありました。しかし、いまや対話型AIを用い、個別の事案に対して相談が出来るのですね。「悩みがあっても他人に相談できない」という方にとっては、「(スマホなら)気を遣わなくて助かる」とのことでした。私はこの言葉がとてもひっかかりました。「気を遣う→迷惑を掛ける→悪いこと」という価値観が見え隠れしたからです。そもそも”迷惑” とは何でしょう?
めい‐わく【迷惑】①どうしてよいか迷うこと。②困り苦しむこと。難儀すること。③他人からやっかいな目にあわされて困ること。
(広辞苑)
現代では③の意味が強いようですね。「他人にされて嫌なことは、他人にはしない」という倫理観に基づき、「迷惑=掛けてはいけないもの」という概念が定着しているように思えます。しかし、①も②も迷惑なんですよね。人生は①と②の繰り返しだと言えるのではないでしょうか? 迷惑な場に寄り添うのがカウンセラーであると言ったら言い過ぎでしょうか?
人間は相互に気を遣い合い、迷惑を掛け合う存在です。誰かに助けてもらい生まれてきて、誰かに助けてもらいながら生きていき、死んだ後は誰かの世話になるのです。しかし、「迷惑を掛けたくないから…」、「気遣いしたくない、されたくもない」とおっしゃる方が増えているように思えてなりません。
「どうしてよいか迷うこと」、「困り苦しむこと、難儀すること」について、他人に相談することがフツーに出来る世の中を作っていきたいですね。□
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