変なところで笑わない ~深刻な話を笑いながらする人もいる~

キャリアコンサルタントの部屋
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私には変なところで笑うクセがあります。例えば技術に関するプレゼンをしていて、その内容が面白かったりすると、うれしくなってニヤニヤしていたりします。大学4年生のとき、指導教官に「にやけていないで、真面目にやれ!」と叱られたことがあります。「何がそんなにおかしいのだ?」と言われて初めて自分が笑っていたことに気付き、「だって楽しいですよね?」と答えて呆れられました。

その他にも具体的なシーンを想像したり、この先に訪れるであろうオチを想像することにより、笑ってしまうことがあるのです。私のクセは、想像・妄想に起因するようです。

さて久しぶりにそのことに気付かされたのは、キャリアコンサルタント養成講座でロープレを行っているときでした。相談者が語る言葉に対し、「ああ、そういうことってありますよねー」と言いながら大笑いしてしまったのです。ロープレを終えた後、先生から言われたのは、「貴方はとても感情豊かに反応しますね。けれど、過度に笑うことはリスキーな場合もあるので、気を付けましょう。」ということでした。

面談をしていると、笑いながらお話しをする方がおられます。確かに面白い話なので、ついつい引き込まれ、共感しようと意識している訳でもないのに一緒に笑っていることがあります。信頼関係を築く上で、それは大切だったりもするのですが、ふと気が付くと、とても深刻な話をまるで笑い飛ばすように語っておられる… とても笑えるような話ではないのにです。

そんなとき、過度に同調して笑ってしまったら、どうなるでしょうか? 「あ、この人、テキトーに合わせて笑っている。聴いているフリして、何も聴いていないな…」となってしまいます。先生がリスキーと表現されたのは、このことだったのです。

養成講座の別の回では、逐語録を見ながら音声教材を聴くというワークがありました。そのときの相談者は確か女性で、とても幸せな体験を語っていたと思います。しかしキャリアコンサルタント役の男性は淡々と受け答えをし、とても暗いのです。一通り聞き終わった後、クラスメートの女性から発せられた言葉は、「このキャリアコンサルタント、妙に暗いよね。何で明るい話題をしているのに、暗いのだろう?」とうものでした。

今なら、それがちょっと理解できます。きっとこのキャリアコンサルタントは、「この人、今は明るい話をしているけれど、相談に訪れたのだから、深刻な悩みを抱えているのだろうな」と考え、過度に反応しないように自制しつつ、「ポジティブな話題の中にも、自己概念の揺らぎが隠れていないか?」探っていたのではないかと思うのです。

私、ちょっと鬱っぽくなって、社内のメンタルヘルス相談窓口に駆け込み、診療内科医と面談したときのことを思い出しました。その先生は、私が面白おかしく話す上司の困った行動について、一切笑わずにジーっと私を見つめていました。その時の私は、先生の予想外の冷たい反応に、すっかり裏切られてしまった気分になり、話すのを止めてしまいました。その代わり、”上司に対する不平不満” を自ら消化しなくてはならなくなり、その時点で、今後とるべき対策に導かれていたように思います。

きっとその先生は、「この患者は自分で問題解決できる状況なのだな」と瞬時に判断し、あえて冷たい態度をとって、私に自問自答を促した… 今はそのように思えるのです。

「カウンセリングで笑ってしまいそうになったら注意!」 楽しい話になったときこそ、この言葉を思い出しています。□

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