キャリアコンサルタント試験(JCDA)の口頭試問でよく聞かれるという4つの質問。
- 出来たところ、出来なかったことは何ですか?
- クライエントの来談目的と主訴は何ですか?
- この先カウンセリングを続けるとしたら、どのように展開しますか?
- この資格を取得出来たら、どのように活かしますか?
この質問にどのように答えるか皆さん悩みますよね。正解・正答はありませんが、ここは大事ではないかと思うところについて、仲間内の勉強会を通して学んだことを書きます。
これは国家資格キャリアコンサルタント試験~実技試験の面接試験(JCDA)を対象としたものです。キャリアコンサルタント協議会のそれは少し異なるようですので予めご容赦下さい。
またプロフィールにも書きましたが、私は第18回試験(21年11月実施)で合格したばかりの新参者です。諸先輩の皆様、「それは違うぞ!」というところがあれば、コメントいただければ幸いです。
出来たところ、出来なかったことは何ですか?
- 『受容共感一致できました』とか、『クライエントに寄り添えました』とか、一般的なことを言いがちですが、これでは弱いと思います。
- なぜそう思うのか、面談中の具体的な場面を提示して示すのが良いと思います。例えば、「私が ”あなたにとって〇〇〇とは、どういうことなのでしょう?” と質問した時、上を見上げて暫く考え込んでいましたので、内省を深めることが出来たように思います。」などと具体的に答えられると良いと思います。
- 出来なかったこと、失敗してしまったことがあれぱ、『出来なかったこと』の中で振り返ればよく、失敗を自覚できているなら問題ありません。
- 『出来なかった』『失敗しちゃった』と諦めることなく、口頭試問で取り返せるので、諦めずに挑みましょう。
クライエントの来談目的と主訴は何ですか?
- この二語、同じ意味と捉えている方もおられるようですが、分けて答えられた方が良いように思います。
- 来談目的は、『今日はどんなご相談で来られましたか?』と問いかけた際、クライエントが最初に発したフレーズです。言葉を言い換えず ”そのままの表現”で答えましょう。例えば『定年後、どうしたらいいか悩んでいる』とか。サッと書き留めておくと良いかもしれません。(現在はメモを取れないようです。悪しからず。)
- 来談目的が語られたら、そのキーワードをじっくりと復唱し、それを味わい、脳裏に刻み込みましょう。そうすれば忘れてしまうことは少なくなります。
- 主訴はカウンセリングを続けていくうちに見えてきた、クライエントの悩みの構造です。クライエントが描く、ありたい姿と、そうはならない現実とのギャップです。
- ありたい姿、現状、ギャップというと、問題解決手法の言葉ですが、これを単なる出来事の問題と捉えないことが肝要と思います。無機的な話ではなく、感情が伴う話であり、それが良い悪いと判断出来るものではないのです。
- 来談目的で語られた悩みとは変わっていることもあります。カウンセリングの中でCL自身が気付くことで、変わってくることがあるのです。
- 15分の短いカウンセリングでは、主訴にまで辿り着かない場合もあるかと思います。その場合、『現実は語ってもらええ、ギャップは見えたがたが、ありたい姿、クライエントの価値観までは未だ語ってもらえていない。だから未だ明らかでない。』と答えれば良いかと思います。
- 主訴の構造を明らかにしようという意図を持って、カウンセリングを進めていることが伝われば良いと思います。くれぐれも感情、価値観の問題なので、出来事の問題と捉えないようにすることが重要です。
- 主訴、問題は論述試験の問3で問われている事です。
この先カウンセリングを続けるとしたら、どのように展開しますか?
- 経験代謝のプロセスにおいて、このカウンセリングがどの辺りまで来ているか、俯瞰出来れば良いと思います。『これまでにクライエントのこんな価値観が見えてきたので、次はこんなことを聴いてみたい』といったように、今後を展望するのが良いかと思います。
- このとき問題をどう解決するかの主導権は、クライエントにあることを忘れないようにしましょう。キャリアコンサルタントの『こうすれば良い』という思いで無理に誘導しないようにしましょう。
- これは論述試験の問4で問われていることです。
この資格を取得出来たら、どのように活かしますか?
- カウンセリングの内容とは関係なく、必ず聞かれるので、答えを用意していくのが良いと思います。私は以下の3点を端的に伝えれば良いと考えます。①自身の職業、立場、②問題意識、課題観、③上記課題をどう解決したいか? どのように社会貢献したいか?
- 前の質問で時間がなくなると『短く答えて下さい』と言われるようです。思いを語りたい気持ちをぐっと抑え、30秒くらいで答えられるよう、何度も練習していきましょう。□
■口頭試問シリーズ
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