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  3. 何とかしようと思い過ぎない ~原因論は封印しよう~
本コラムでは、キャリアカウンセリングの場面においては、原因論は封印した方が良いと説きます。
対象:、所要:3分

キャリアコンサルタントを目指す方には、人の役に立ちたいと強く思っている方が多いですね。受験生のロープレ勉強会に参加していると、その熱意に圧倒されることがあります。しかし、その思いが強過ぎて空回りしておられる方もおられます。

かく言う私も、相談者を何とかしてあげたいという熱意は人一倍あったつもりです。それゆえ相手のことを勝手に想像し、先回りして正解に導こうと思っていました。養成講座の先生には、「で? あなたは相談者をどうしたいのですか!」と叱られていました…(笑)

今回は何故そうなってしまうのか考えてみたいと思います。

経験代謝に基づくキャリアカウンセリングが目指すのは、自己概念の成長です。自己概念が揺らいだのは何故か、その意味に自ら気付いていくプロセスを重視します。相談者のココロの問題ですから、目に見える問題点を解決するより遥かに時間を要するのです。

しかし相談者が直面する問題点を早く取り除いてあげたいと思うがあまり、ついつい原因論に基づくアプローチを行ってしまうのではないでしょうか? 原因論に基づくアプローチとは、『上手くいかない原因を見付け、それを正常化すること』です。

自己概念の成長とは、上手くいかない本質的な原因に相談者が自ら気付き、それを受容れた上で、自らの行動を決めていくことです。これはアドラーが言う目的論に基づくアプローチでしょう。カウンセラーが出来ることは、相談者に対する勇気付けであって、問題を解決するのは相談者自身なのです。

『他人のココロは変えられない。変えられるのは相談者自身…』ぐらいに考えてみてはいかがでしょうか?  肩の力が抜けて、かえって良いカウンセリングになるのではないか? 私はそんな風に考えています。□

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