「理と大義だけで人は動かない! 人を動かすには情熱が必要だ!」と申し上げました(ココ)。技術者のみならず、ビジネスマンにはコミュニケーションスキルが必要なのです。
こういう話をすると、大学生や新社会人の人は、「やっぱコミュ力っすよね!」という答えが返ってきます。就活の際、刷り込まれているのでしょう。だからといって、コミュ力が高い人ばかりじゃないですが…(笑)
一方、前職の研究開発の職場にて、オジサマ方に同じことを言うと、「お前なあ、今さらコミュ力とか言うなよ… 技術者が身に付けるのは、専門知識に基づく論理性だろ?」と言われました。その言葉の裏には、我々企画部員に対し、以下のような思いがあるのです。
- 市場調査とかベンチマークとか、もっともらしいデータを並べやがって! クリティカル・シンキングなんて知らんわ!
- コミュニケーションスキル? プレゼン力のことか? 大事なのは理屈だぞ? 学会発表スタイルで何が悪い? チャラチャラした発表しやがって…
若干、被害妄想はあるかと思いますが、大筋は間違っていないでしょう。
私は異業種交流会にて「技術者にもコミュニケーションスキルが必要です。プレゼン力も大事ですが、まずはコーチング研修を受けさせたいのです!」と発言したことがあります。その時、あるメーカーの研究管理部長さんが一言。「コーチング研修はいいね。マネージャーは受けるべきだ。けれども”受けた人”でないと良さが分からない。コーチングを受けたことが無い役員や部長に、いくら大事だと主張しても、納得してくれないと思うよ」と…
そうなんです… 私はコーチング研修の中で「自分自身がコーチングを受ける体験」を何度もしてきたのです。キャリアコンサルタント養成講座やロープレ勉強会の中で何度も「カウンセリングを受ける体験」をしてきたのです(ココ)。このような経験から「他人に話を聴いてもらうことの嬉しさ」を知っているのです。
しかし、そんな人ばかりではありません。コーチングと聞くと「質問を繰り返し、部下を操るテクニックね…」と言う人や、カウンセリングと聞くと「メンタルやられちゃった人が受けるやつね…」という人も沢山います。
キャリア研修が必要だなんて言うと、「キャリアなんて自分で考えるもんだろ? 他人に相談するようなもんじゃない。俺は自分でキャリアを切り拓いてきた!」と返り討ちに合います。「役員のアナタは、そうかもしれません。けれどフツーの人は、自身のキャリアに悩んでいるんですよ。だからキャリア研修が必要なんです!」と言いたくなりますね…
私も含め、みなさん自身の経験を元に判断しているんです。頑固な人は、それが全てだと執着し、柔軟な人は、他の考え方もあるね…と受け容れる。ただそれだけの違い…だけどものすごく大きな違いです。
「コミュニケーションスキルが大事なのは分かった。だけども、その強化のために、何から始めていいか分からない」という人は、プロのコーチやカウンセラーに話を聴いてもらいましょう。聴いてもらうことの嬉しさを、自分自身で感じるのです。そうしたら「他人の話を聴ける人になりたい!」と思いますよ。それからコーチングやカウンセリングを学べば良いのです。
何も専門家になる必要はありません。部下との1 on 1を充実させるための講座なんて、山のようにあります。部下とのコミュニケーションが円滑になり、業務効率は好転していくことでしょう。「最初から、こうすれば良かった…」って思うことでしょう。遅くはありませんよ。会社辞めても、コミュニケーションは一生続きますから…□
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