従業員のキャリアを支援するための相談窓口を設ける企業が増えています。今お勤めの会社に、そのような窓口がある場合、キャリアや人間関係で悩んだのなら、その利用を考えましょう。企業内キャリアコンサルタントとして自社の社員を支援したいという方は沢山いますので、丁寧に話を聴いてくれることでしょう。職場に問題があれば、秘密を守った上で適切な対応をしてくれるでしょう。

但し、良くも悪くもカウンセラーは社内の方です。御社が属する業界のこと、自社の歴史、人事の施策等について良くご存じです。同じような経験をして、同じように悩んできたかもしれません。それ故、深く共感してもらえると思います。また、それを乗り越えたり、やり過ごしてきた経験について語ってくれるかもしれません。”身内”として親身になっていただけると思いますし、場合によっては関係者に働きかけてくれることでしょう。
ただ、貴方がもし「自分のキャリアについて、より客観的な視点でアドバイスして欲しい」とか、「今の職場の状況は、世間一般から見てどうなのか?」などと疑問に思っておられるのなら、社外カウンセラーの利用をおススメします。
社外カウンセラーは、良い意味で貴殿が置かれている状況を知りません。それ故、お悩みを聴いた上で、きっかけとなった経験を丁寧に再現していきます。貴方は何も知らないカウンセラーに対し、悩みに至った経験を語ります。社内の人なら当然知っているであろう種々の背景についても、言葉を使って説明しなくてはならないのです。

あ、でも大丈夫ですよ。訓練を受けたカウンセラーは、貴方が言語化することを上手く導いてくれますので、何も心配しなくていいのです。二度と思い出したくもない嫌な経験も、何だかモヤモヤしてしまった経験も、ショックを受けた経験も、開示できる範囲でお話しいただければいいのです。貴方の発した言葉は貴方に返ってきて、それを再体験することになるのです。
その時、カウンセラーは語られた経験を元に、「これは、こういうことですか?」、「何だか、〇〇のように見えるのだけれど、どうですか?」などと応えます。するとどうでしょう? 相談者はハタと気が付くのです。「私は〇〇で悩んでいたのだ」と… 対話によって、一人で悩んでいたときには見えなかった景色が見えてくるのです。
ビジネスの世界でも、”壁打ち”と呼ばれる手法があります。例えば、自身が考えた企画について他部署の同期に説明してみる。そこでの反応を見て、企画内容をブラッシュアップしていくのです。ここで重要なことは、説明相手が部外者であること。それ故、今までに無い視点でフィードバックをしてもらえるのです。カウンセリングも全く同じ。社内では得られない視点でフィードバックを得たければ、社外のカウンセラーを活用することをおすすめします。□
~ ”カウンセリングのすすめ” シリーズ ~
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- 身体の不具合が出る前に
- 自分を大切にし、センサの感度を上げる
- 社内でキャリコンによる面談が受けられない場合
- 聴いてもらう嬉しさを知ろう
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- オンラインカウンセリングの良さとは
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