カウンセリングのすすめ(15) ~同じような悩みを持っている人はたくさん居る~

カウンセリングのすすめ
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私は前職において、職場風土の改善活動を担当していました。他社の優れた取組みを紹介したり、大学教授を招いて講演やワークショップを行っていました。私は自部署の社員に、その気になってもらうことに必死だったのです。しかし、社員の反応は冷ややかでした。

  • 中小企業での事例を紹介すると、「中小だから出来るんだよね。うちは大企業だから…」
  • 同じ製造業の事例を紹介しても、「業界が違うから…」
  • 同じ研究機関の取組みを紹介しても、「あそこは先端のIT企業だから…」

どうしても「自社との違い」に関心が向かうのですよね。「ウチでは上手くいかないであろう原因を探し、それを解決するための手段を考える」なら良いのですが、「やれない理由を探し、思考停止」になっていました。「ウチにはウチの特別な事情があるので、この事例のようには上手くいかない…」と何度も言われました。

何を隠そう、私にも同じように考えるクセがありました。しかし風土改革の活動を行う以前に、その考え方は払拭されていました。技術系管理部門の担当者が集まる、異業種交流会の場に参加していたからです。同会には誰もが知る大手メーカーから中堅企業まで多くの方々が集まり、技術系管理部門で問題となっている、人材育成や風土醸成、新規事業創生などについて議論されていました。
私も参加するまで「自社の業務に関わるようなこと、話せる訳ないじゃないか?」と思っていたのですが、あら不思議… 自社で問題となっているようなことって、他社でも問題となっているんです。そして、それを解決すべく、種々の取組みが行われている。勿論、具体的な技術の内容に関する機密事項は話せませんが、「共通する課題」でいくらでも議論が出来るんです。
「ウチには特別な理由があるから」と言って、言い訳ばかりしていてはもったいない。私はいつしか、「共通する課題に目を向け、解決法のエッセンスを取り込むこと」に必死になっていました。

個人のお悩みも一緒だと思います。多くの皆さんが、似たようなことで悩んでいる。「自分の悩みは特別…他人の事例は役に立たない」と思うのは、とても自然なこと。悩みの背景には、それぞれ個別の経験があり、一般化出来るものではありません。

しかし共通部分に目を向けると、解決の糸口が見つかる場合も少なくありません。特に、同じ業界、職種、年代の方の事例には、共通項も多いものです。車座でワークショップをやると、「悩んでいるのは自分だけではないのだな…」と気付くことがありますが、それと同じ。それだけでも、心は癒されるものです。

ぜひ、当相談室にお越し下さい。あなたの特別な経験を聴かせていただければと思います。そして、何か皆と共通する課題に気付き、次の一歩が踏み出せるように、お手伝いさせていただければと思います。□


~ ”カウンセリングのすすめ” シリーズ ~

  1. どんな効果が期待できるのか?
  2. 私の得意不得意
  3. 身体の不具合が出る前に
  4. 自分を大切にし、センサの感度を上げる
  5. 社内でキャリコンによる面談が受けられない場合
  6. 聴いてもらう嬉しさを知ろう
  7. 就職・転職とは関係なくてもいいんです
  8. オンラインカウンセリングの良さとは
  9. 一般的なコンサルティングとの違い
  10. 中高年の技術系社員の悩み
  11. 相談者の自己受容をお手伝い
  12. 何に悩んでいるか説明できない
  13. セカンドキャリアの考え方
  14. 技術系専門職の皆さまへ
  15. 同じような悩みを持っている人はたくさん居る 本投稿
  16. 組織を対象としたカウンセリング
  17. 1on1の練習をしませんか?

コメント

  1. Aちゃん より:

    似たようなことで悩んでいる方が他にもいると知れるだけでも、少し気持ちが楽になりそうですね。

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