自分を理解しようとしてきた。強みも弱みも、過去の選択も、ずいぶん言葉にしてきた。
それでも、なぜか心が軽くならない――そんな感覚を抱いている人も少なくありません。
「もっと頑張らなきゃ」「今の自分ではダメだ」「周りからどう見られているか気になる」——。
こうした思いはごく自然なもので、自己成長の原動力にもなります。
しかし度が過ぎると、自分を鼓舞するための言葉が、いつの間にか 自分を縛る“縄” に変わることがあります。いわゆる 自縄自縛 です。
同じ思考のぐるぐるにはまり込むのは、あなただけではありません
人は、似たような状況に直面すると、以前の思考パターンをなぞりがちです。
それは特別なことではなく、誰にでも起こる“心のクセ”のようなもの。
だからこそ、「また同じ悩みにはまってしまった…」と自分を責める必要はありません。
そこには理由があり、構造があります。
その構造を“ほどいて見えるようにすること”が、キャリアコンサルティングで最も大切にしていることの一つです。
“受容”とは諦めることではなく、明らかに見ること
「受容って、結局“諦める”ってことですか?」
そう質問されることがあります。
ここでの“諦める”とは、一般的なネガティブな意味ではなく、
「明らかに見る(明らめる)」 が語源です。
つまり“受容”とは、
- ありのままの自分を認める
- できない自分を許す
- 必要以上に自分を追い詰めない
という、健全で前向きな態度のこと。
そのうえで、「じゃあ次にどうしたいか?」を考える土台をつくる作業です。
私自身、長く“自己否定の沼”にいた人間です
これは正直に言っておきたいのですが、
私は長い間、自分を責め続けて生きてきました。
「もっとやらなきゃ」
「まだ足りない」
「これでは人から認められない」
そんな言葉で、自分を追い込み続けていました。
その分だけ、そこから抜け出すための方法を、人よりも多く試してきました。
そして今では、その経験が、相談者の方の支えになると実感しています。
誰よりも自己否定をしてきた分、
誰よりも“抜け出し方”を知っている。
そう胸を張って言えます。
あなたが“自縄自縛”から抜け出すためにできること
あなたは、何も“変な方向”に進んでいるわけではありません。
ちょっとだけ、思考や感情が絡まって見えにくくなっているだけです。
その絡まりを一緒にほどき、
「自分はダメだ」ではなく
「私はこうありたい」に戻れるようにする
——これが、私が提供したい支援です。
関連記事(あわせて読みたい)
- 「自縄自縛」については、こちらのコラムでも詳しく説明しています。
おススメ 自縄自縛 ―自分で自分を縛らない - 「やれない理由」を探し、できるようにするのが技術者です。
「そのクセが悩みを深めてしまうこと」について書きました。
おススメ 悩みはひとそれぞれ けれど同じような悩みを持っている人はたくさん居る - おススメ
技術者が成果を出しても満たされない理由 ー キャリアを支えるもう一つの軸
自己受容は、頭で理解すれば到達できるものではありません。人が安心し、回復していく背景には、もう少し身体的・関係的な仕組みもあります。その視点について整理しました。
ライフキャリア相談室についてはこちら
もし、この記事を読んで
「いまの自分の言葉に、少し縛られているかもしれない」
と感じたら、安心して相談してください。
一緒にその“絡まり”をほどいていきましょう。
□


コメント