一般的に、コンサルティングと言うと、何か解決策を提示してくれるサービスだと思うことでしょう。コンサルタントはその世界に精通していて、クライエントのお悩みを先読みし、問題を回避する方法を提案してくれる人… こんな感じです。
私は前職で研究開発部署に所属していました。元々は一技術者でしたが、40歳を過ぎて企画職に転身しました。戦略的なテーマ運営が求められていたので、コンサルタントを招聘するような機会がありました。すると、その技術の担当者からは…
- コンサルタント? そんな奴に、この技術領域の課題が分かるのか?
- 解決策を提示してくれるのか?
と噛みつかれたものです。「まあ、まあ、そう言わずに、一度お話し聴いてもらってはどうでしょう?もちろん秘密は守られます」となだめて会っていただきます。コンサルタントに対しては、私から事前に「こんな領域のことを相談したい」とお話しをしておきます。
そして当日、面談を開始。技術者側は「素人に、こんなこと話しても分からないよね?」という感じ。何に困っているか、知りたいか?上手く説明できない方がほとんどです。するとコンサルタント側は、「それでは私が少し調べてきたことを…」と言って話を始めます。するとどうでしょう。技術者がふだん目にしたことが無い市場データがボロボロ出てくる。技術動向もザックリ掴んでいる… 技術者の眼の色が変わります。私はそんな場面に何度か立会いました。
コンサルタントは相談をもらうと、その業界のことを要領よくまとめるプロです。その業界の主なプレーヤー(企業名)や市場規模、技術動向までを簡潔にまとめ、プレゼン資料として持参します。それを呼び水とし、「さあ、どの辺りの情報をお望みですか?」と自信満々にプレゼンするのです。これに驚いた技術者は課題の詳細を話し出す… コンサルタントは表情一つ変えず、課題を聴き、それを持ち帰り、調査が始まるのです。
技術者の皆さんにとって、コンサルティングとは上記のようなイメージだと思います。だから「解決策を提案してくれる人」となるのです。
しかし、キャリアコンサルティングを、このイメージで捉えられると、かなり違うと思います。クライエント(相談者)は、カウンセリングを通じ、自身のWill(夢)‐Can(出来ること)‐Must(個々の使命感)を明確にしながら、それを満たす方向を、キャリアコンサルタントと共に探っていきます。コンサルタントは答えを持っている訳でもなく、その業界に精通している訳では無いのですが、前述のコンサルのように、種々の手法を駆使して解決策を提案していきます。
一方、キャリアカウンセリングは、上記のようなコンサルティングを進める際の一手段として用いられる場合と、カウンセリング自体に意味がある場合の、二通りがあると私は考えています。前者は就職や転職といった明確な目的がある場合であり、後者は、こころの問題について、気付きを得ていただくことを目的とする場合です。
私が「ライフキャリア相談室こころ」で扱うお悩みは、主に後者であるとお考え下さい。もちろん、具体的な就職・転職に関してお悩みならば、経験が少ない領域であったとしても、提案はいたします。但し、そのクオリティは、その業界に特化した民間の転職エージェントや、膨大な求人情報やリファー先を持つハローワークには敵わないと思います。私のご提案でご満足いただけない場合は、他の機関をご紹介することになります。
ただ…「心の問題について気付きを得ていただくこと」が目的である場合、私はひたすら貴殿のお話しを聴かせていただきます。そして、「貴方に聴いてもらって良かった」と言っていただけるようなセッションにしたいと考えています。どうぞ、「ライフキャリア相談室こころ」にお越しください。初回の無料セッションにて、お待ちしております。□
~ ”カウンセリングのすすめ” シリーズ ~
- どんな効果が期待できるのか?
- 私の得意不得意
- 身体の不具合が出る前に
- 自分を大切にし、センサの感度を上げる
- 社内でキャリコンによる面談が受けられない場合
- 聴いてもらう嬉しさを知ろう
- 就職・転職とは関係なくてもいいんです
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