面談しながらメモ取るか?

キャリアコンサルタントの部屋
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「面談しながら、メモ取ってもいいんでしょうか?」

キャリアコンサルタント実技試験に向けたロープレ勉強会のとき、よく訊かれる質問です。私は以下のように答えます。

「インテーク面談のとき、メモは取りません。但し、来談目的だけは、サラッとメモってもいいかもしれません。」

私は元々エンジニア。打合せをするときは、必ずメモを取っていました。事実関係を明確にし、問題の構造を明らかにして解決策を考える…これが技術打合せの基本のキだからです。

時に口頭だけでこれを済ませようとする人がいますが、これは大変危険。いわゆる空中戦になって「言った言わない問題」になるので、私は打合せの発言事項を紙に書いたり、ホワイトボードに書く習慣がついています。

松山真之介、図解でわかる!ファシリテーション、秀和システム

この技を極めると、ホワイトボードに描きながら、打合せを自在にコントロールできるようになります。ある連携先企業の部長さんがこの達人で、その方がホワイトボードの前に立ち、さらさらと箇条書きすると、あら不思議! 技術課題が明確になり、各担当者がやるべきことと期限が明確になっていくのです。私はすっかり魅了され、ひたすらその人を真似てホワイトボードファシリテーションの技を身に着けていきました(詳しくは上記の本に書いてありますので、興味のある方はどうぞ)。

さて会社において、この技を乱用していた私は、描きながら問題解決をすることに酔っておりました。しかし、その後受講したコーチング講座のロープレにおいて、「描いて問題解決するスタイル」は玉砕することになります。その講座ではZoomで15分ロープレを行いましたが、クライエントの発言内容をメモしていると、相手への注意そして自分への注意が散漫となり、傾聴とは言えないモノになってしまうのです。カメラに映らない場所でメモをとってもバレてしまうのです。講師の方からは、「メモ取らずに傾聴できるように頑張りましょう!」と言われ続けていました。

要するにメモ取ると事情聴取になってしまうのです。口を開くたびメモを取られ、それを確認されると、クライエントは犯人扱いされているような気分になり、信頼関係なんて築けません。幸いその講座の最終日には一切メモを取らず、話を聴けるようになりましたが、大変な苦労をしました。

私はこのような経験をした後、キャリアコンサルタント養成講座を受講したため、「メモを取らずに話を聴く」ことは出来ました。しかしクライエントの話が複雑になると、メモしたい衝動に駆られるのです。「ありたい姿」と「現状」を書いて、「このギャップをどうにかしたいのですね?」、「さて、これを妨げているものは何でしょう?」とやってしまいたくなるのです。この衝動を抑えつつ、メモ取らずに話が聞けるようになるまでには、更なる訓練が必要となりました。

上記のような理由から、私は「メモを取らずにクライエントに対峙する」ことをお薦めします。しかし実技試験の際は、メモが準備されることもあります※。そんな時は、来談目的のキーワードをサラッとメモしておいてもよいでしょう。

来談目的で語られる言葉の中には、とても重要な言葉やニュアンスが含まれていることが多く、そのフレーズを忘れないことがとても重要になってくるからです。無論メモしていいような雰囲気か否か…その場の空気を読むことが肝要です。

※追記 キャリアコンサルタント実技試験(面接)の場において、メモを取ることが許されているか否かは、受験回によって異なるようです。これから受験される皆様は当日の試験官の指示に従って下さい。(2022/8/29) □

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