結論:セカンドキャリアでは「何をするか」より「どう在りたいか」が重要
これまで多くの技術者は、
doing(できること)=価値
という構図でキャリアを積み上げてきました。
しかし、40~60代のセカンドキャリア期になると、
仕事の選び方や満足度の源泉が変わり始めます。
- 給与
- スキルの活用
- 担当できる業務範囲
といった doing中心の評価軸だけでは満たされにくくなる のです。
ここから必要になるのが、
being(在り方)を軸にしたキャリア選択。
「どう働きたいか」「どのような生き方をしたいか」が、
キャリアの質を左右するようになります。
なぜミドルシニア期は「being」が重要になるのか?
ミドルシニアの技術者には、次のような変化が共通して見られます。
1. “役割”から解放される
管理職・専門職として期待されてきた役割が薄れ、
「自分は何者か」を問われるようになる。
2. 価値観が「成果」から「納得」へ
若い頃のように成果至上ではなく、
日々の納得感・充実感が大切になる。
3. 仕事以外の時間も含めた“人生全体”で判断する
家庭・健康・学び・地域などの要素が重なり、
総合的に生き方を考える必要が出てくる。
こうした変化が積み重なることで、
doingより beingを軸に考えた方が、結果的に長期的な満足度が高くなる のです。
doing → being のシフトで何が変わるのか?
仕事の選び方が変わる
「できる仕事」ではなく
「心地よく続けられる仕事」を選ぶようになる。
キャリア迷子が減る
在り方が明確になると、
必要なスキルや環境が自然と絞られる。
無理な自己投資が減る
資格や転職を“目的化”せず、
本当に必要なものだけに投資できる。
人との関わり方が自然になる
無理な“役割演技”が減り、疲弊しなくなる。
一言でまとめると、
自分の人生のペースで働けるようになる のが最大のメリットです。
「being」を見つけるための3つの問い
セッションでもよく使う問いです。
- どんな仕事の瞬間が、あなたのエネルギーを高めてくれるか?
- 周囲から「あなたらしい」と言われる行動は何か?
- どんな環境なら、自然体のまま力を発揮できるか?
これらは “強み” を探す質問ではありません。
“生き方の軸” を探す質問です。
まとめ:doingに縛られすぎると苦しくなる。beingに目を向けよう
セカンドキャリアは、
スキルを生かすフェーズではなく、
スキルを選び取るフェーズ です。
doing(できること)だけで進むと、
「できるけれど満たされない」状態に陥ります。
being(在り方)が明確になれば、
自然と選ぶべき仕事・環境・学びが見えてきます。
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being(在り方)は、ひとりで考えるよりも、
誰かとの対話の中で輪郭がはっきりしてくることが多いです。
もし今、
「自分はどう働きたいのか」
「どんな生き方が心地いいのか」
を整理したくなったら、気軽にご相談ください。
技術者のキャリアの文脈に合わせて、
あなたの“在り方”が自然に見えてくるよう伴走します。
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